チェストベリーとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

最終更新日:

はじめに

  • 加齢による症状が気になる
  • 妊娠前後の体調管理をしたい
  • ストレスによる肌荒れを改善したい


このような悩み・要望を抱えている方は多いのではないでしょうか?

そのような悩み・要望を抱えている方はチェストベリー(西洋ニンジンボク)の摂取をおすすめします。

なぜなら、チェストベリー(西洋ニンジンボク)には以下の効果があるとされているからです。

  • PMS
  • 更年期障害の症状
  • 不妊症関連の問題
  • 女性の生殖器系に影響を及ぼす問題


この記事ではそんなチェストベリー(西洋ニンジンボク)の効果や副作用について紹介します。

チェストベリー(西洋ニンジンボク)とは?

セイヨウニンジンボクはハマゴウ属の植物中で一般的に薬として使われる植物です。

ハマゴウ属とはクマツヅラ科の中でも一番大きな属性の名前でその種類は世界中に250種あります。(参考)

セイヨウニンジンボクの実は別名チェストベリーやモンクズペッパー(修道士の胡椒)と呼ばれており、胡椒の実と同じくらいの大きさです。その実はチェストツリーに実り、チェスト(肉体的に純潔と言う意味)ツリーはその実が中世に男性の性欲を抑えるために使われたことから、この名前が付けられました。(参考)

この実は、この木の他の部分と同じように、あらゆる種類の病気を治すためのハーブ薬として使われています。

主に以下のような症状の治療に使われます:

  • 月経前症候群(PMS)
  • 月経障害
  • 不妊症
  • にきび
  • 更年期障害
  • 授乳困難


事実、古代ギリシアの時代から、上記のような症状の治療薬として使われてきました。(参考)

トルコでは消化を助ける薬や抗真菌薬、抗不安薬として使われています。(参考)

また、虫刺されやある一定の種類の癌の予防薬として使われています。他にも健康に良い効果があると言われています。しかし、全ての効果が科学的に証明されているわけではありません。

女性の生殖器系の健康状態を改善

セイヨウニンジンボクは、女性の生殖器系に影響を及ぼす健康状態を改善する働きがあることで知られています。

月経前症候群(PMS)の症状を和らげる

セイヨウニンジンボクの特性の一つとして月経前症候群(PMS)の症状を和らげる効果が挙げられます。この特性はもっともよく知られていて、かつ、きちんと研究されています。

PMSの主な症状は以下の通りです:

  • 便秘
  • イライラ
  • 気分の落ち込み
  • 片頭痛
  • 乳房の痛みと圧痛


研究者たちはセイヨウニンジンボクにプロラクチンと言うホルモンの値を下げる働きがあると考えています。これは、エストロゲンやプロゲステロンなどの他のホルモンのバランスの再構築を助ける働きがあり、それによってPMSの症状が和らぐとされています。(参考)

ある研究ではPMSの症状がある女性たちが月経時に3周期連続でセイヨウニンジンボクを摂取したところ、93パーセントの女性が以下のようなPMSの症状が軽くなったと報告しました:

  • 気分の落ち込み
  • 不安感
  • 食欲


ある2つの研究では、PMSの症状がある女性たちに20mgのセイヨウニンジンボク、またはプラセボを毎日、月経時に3周期に渡り摂取してもらいました。

セイヨウニンジンボクを摂取した女性たちは、イライラ、気分の変動、頭痛、乳房の張りの症状が軽減したと報告しました。その数はプラセボを摂取した人数の2倍でした。(参考1)(参考2)

セイヨウニンジンボクはまた、月経と関係する乳房の痛みの一種である、周期的な乳房痛を軽減する働きがあると言われています。ある研究では通常治療に使われる薬よりも少ない副作用で、それと同じくらいの効果が得られると提唱しています。(参考1)(参考2)

しかし、最近の二つの再調査では、セイヨウニンジンボクにはPMSの症状の軽減を助ける働きがあるが、その効果を過大評価しすぎなのではないかとの報告がありました。(参考1)(参考2)(参考3)

はっきりとした結論を出すには、さらに、きちんと計画された研究が必要です。

更年期障害の症状を軽減する効果

セイヨウニンジンボクのホルモンバランスを整える効果は、更年期障害の症状を和らげる可能性があります。

ある研究では、23人の更年期障害の症状がある女性たちにセイヨウニンジンボクのエッセンシャルオイルを使用してもらいました。女性たちからは気分が良くなった、よく眠れるようになったなど、更年期障害の症状が改善したとの報告がありました。また、中には月経が再開した人たちもいました。(参考)

その後の追跡調査では、52人の閉経前と閉経後の女性たちにセイヨウニンジンボクのクリームを塗ってもらいました。その結果、この女性たちのうちの33パーセントに寝汗やほてりなどの症状の大幅な改善が見られ、36パーセントに適度の改善が見られました。(参考)

しかし、全ての研究においてセイヨウニンジンボクの効果が確認できたわけではありません。最近行われた大規模な研究では、最良の研究方法とされる、二重盲検法、無作為化比較対照試験において、女性たちにプラセボ、またはセイヨウニンジンボクとセイヨウオトギリソウが混ぜられて入っている錠剤が渡されました。

16週間後、ほてりや気分の落ち込み、またその他の更年期障害の症状に対するセイヨウニンジンボクの錠剤の効果は、プラセボと同等でした。(参考)

ただし、セイヨウニンジンボクの効果を提唱している研究では、女性たちはセイヨウニンジンボクと他のハーブが混ざったサプリメントを摂取していることを頭に置いておいてください。よって、この効果がセイヨウニンジンボクによるものだと判断するのは難しいのです。(参考)

生殖機能を高める効果

セイヨウニンジンボクはプロラクチンの値に影響を与える可能性があることから、女性の生殖機能を高める働きがあると言われています。(参考)

これは、黄体機能不全を患っている人や月経周期の後半が短い人に特に効果がある可能性があります。黄体機能不全はプロラクチンの値が異常に高いことと関係しており、それによって妊娠がしにくくなります。

ある研究では、40名のプロラクチンの値が異常に高い女性たちに40ミリグラムのセイヨウニンジンボクまたは調剤薬のどちらかを摂取してもらいました。その結果、セイヨウニンジンボクには調剤薬と同等のプロラクチンの値を下げる効果が見られました。(参考)

また別の52人の黄体機能不全を患っている人たちに対して行われた研究では、20ミリグラムのセイヨウニンジンボクを摂取した人たちは、プロラクチンの値が下がり月経の周期が長くなりました。その一方で、プラセボを摂取した人たちには何も効果が現れませんでした。(参考)

また別の研究では、過去6か月~36か月の間に妊娠を望んでいたが、妊娠できなかった女性93人に、セイヨウニンジンボクが含まれたサプリメント、またはプラセボを摂取してもらいました。

3か月後、セイヨウニンジンボクのサプリメントを摂取したグループの女性のうちの何名かにホルモンバランスに改善が見られ、26パーセントが妊娠することができました。一方で、プラセボを摂取したグループで妊娠をすることができた割合は10パーセントのみでした。(参考)

ただし、そのサプリメントにはセイヨウニンジンボク以外にも他の物質が含まれていました。よって、妊娠の成果がセイヨウニンジンボクによるものだと判断するのは難しいです。

月経不順も女性が妊娠を計画するのを妨げる原因となります。さらに加わった三つの研究では、月経不順の女性に対して、セイヨウニンジンボクはプラセボよりも月経周期を改善させる効果があることが報告されています。(参考1)(参考2)(参考3)

虫刺され防止

セイヨウニンジンボクにはあらゆる虫を寄せ付けない効果がある可能性もあります。

ある研究では、セイヨウニンジンボクの種から作られた抽出液に、蚊、ハエ、ダニ、そしてノミを6時間に渡って寄せ付けない働きがあることが分かりました。(参考)

また別の研究では、セイヨウニンジンボクと他の植物の抽出液が入ったスプレーに少なくとも7時間に渡ってシラミを防ぐ効果があることが分かりました。(参考)

さらなる研究ではセイヨウニンジンボクにはシラミの幼虫を殺して、成虫の繁殖活動を妨げる働きあることが分かりました。(参考1)(参考2)

その他の効果

その他にもチェストベリーを摂取することで下記の効果を得ることができると示唆されています。

下記の症状に対する効果・効能はまだ完璧に実証されていません。

・頭痛の軽減効果

・抗菌・抗真菌の効果

・炎症の軽減効果

・骨の回復効果

・てんかんの予防効果

・授乳への効果

・痛み軽減の効果

・子宮内膜症への効果

・薄毛予防の効果

・ニキビへの効果

チェストベリー(西洋ニンジンボク)の副作用

セイヨウニンジンボクは一般的には安全だと考えられています。

研究者たちは、毎日30~40mgのドライフルーツの抽出液、3~6gの乾燥ハーブ、または1gのドライフルーツを摂取することは安全だと報告しています。(参考)

報告されている副作用は以下の通りで、一般的に軽い傾向にあります:(参考)

  • 吐き気
  • 胃の不調
  • 軽い湿疹
  • ニキビの増加
  • 頭痛
  • 経血の量が増える


セイヨウニンジンボクの胎児や乳児への影響が十分に研究されていないことから、妊娠中や授乳中は摂取しない方が良いでしょう。(参考)

研究者たちはまた、セイヨウニンジンボクは以下の薬や療法と相互作用の関係にあると考えています:

  • 抗精神病薬
  • 経口避妊薬
  • ホルモン補充療法


まずは、セイヨウニンジンボクを摂取する前にかかりつけ医に相談しましょう。(参考)

まとめ

いかがだったでしょうか?

セイヨウニンジンボク、またはチェストベリーは生殖機能を高め、PMSや更年期障害の症状を軽減する可能性があります。また、虫を寄せ付けない働きがある可能性もあります。

その他の用途については、現時点ではその効果が科学的に確証されていません。

また、セイヨウニンジンボクは胃の不調やその他の軽い副作用を起こす可能性がありますが、一般的には安全だと考えられています。

もし、セイヨウニンジンボクを試してみたい場合は、まず、かかりつけ医に相談してください。特に以下の健康状態にある方は相談が必要だと思われます。

  • 妊娠中
  • 授乳中
  • 特定の処方箋薬を服用している場合

適量を守って健康的な生活を送りましょう。 ご一読ありがとうございました。

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