アルガンオイルの効果
アルガンオイルとは北アフリカ・モロッコ王国でしか産出されない天然オイルです。
高濃度のオレイン酸とビタミンEを含み、肌の保湿・美白効果があるとされています。
本記事ではアルガンオイルの効果とその使用法をご紹介します。
1.抗酸化・抗炎症作用
アルガンオイルは抗酸化作用や抗炎症作用があるとされています。 なぜなら、アルガンオイルには酸化の原因となる活性酸素などの有毒物質を無害な物質に変換するポリフェノールが含まれているからです。 また、同じく抗酸化作用尾を持っているとされているビタミンEやトコフェロールが豊富に含まれています。(参考)
加えて、アルガンオイルに含まれるコエンザイムQ10(CoQ10)やメラトニン、植物ステロールなどの物質も抗酸化効果を持つと期待されています。
最近の研究は、炎症性の肝毒素をたくさん浴びる前にアルガンオイルを摂取したマウスは炎症マーカーの有意な低下が明らかになりました。 (参考)
また、アルガンオイルを皮膚に直接塗るとけがや感染症による炎症を抑えられるという研究もあります。 (参考)
そのため、美肌を目指す方におすすめです。
2.心臓病の防止効果
アルガンオイルは心臓病に効果があるとされているオレイン酸(オメガ9系脂肪酸)が含まれています。 (参考)
オレイン酸はアボカドやオリーブ油を含む他のいくつかの食品にも含まれており、心臓保護作用があると考えられています。 (参考1)(参考2)
ヒトを対象にした研究では、アルガンオイルは血液中の抗酸化物質の濃度に影響を与えることで心臓病のリスクを低下させることができ、またその能力がオリーブ油に匹敵すると発表しました。 (参考)
別の小規模なヒトを対象とした研究では、アルガンオイルの摂取量が多い人ほど悪玉LDLコレステロール値が低く、抗酸化物質の血中濃度が高い結果となりました。 (参考)
健康な40人を対象とした心疾患のリスクに関する研究では、1日に15gのアルガンオイルを30日間摂取した人で、 悪玉 LDL値およびトリグリセリド値がそれぞれ16〜20%低下しました。 (参考)
これらの結果は有望ですが、アルガンオイルがヒトの心臓の健康をどのように働きかけるかをより理解するためには、さらなる大規模な研究が必要です。
3.糖尿病の防止効果
ある動物実験では、アルガンオイルは糖尿病の予防に役立つ可能性が示されています。
また別の研究ではアルガンオイルと一緒に糖が高い食事を与えたマウスにおいて、空腹時血糖とインスリン抵抗性の両方に有意な低下をもたらしました。
これらの研究結果から、アルガンオイルの抗酸化剤含量により良い結果が出ることが分かりました。
しかしこのような結果は、必ずしも同じ効果がヒトにも見られることを意味するものではないため結果を鵜呑みにしないよう注意しましょう。
4.がん防止効果
アルガンオイルは特定のがん細胞の増殖を抑え、また増殖を遅らせる可能性があります。
ある実験では前立腺癌細胞にアルガンオイルからのポリフェノール化合物を適用しました。抽出物は対照群と比較して癌細胞増殖を50%阻害しました。 (参考)
別の実験では、アルガンオイルとビタミンEの混合物は乳癌および大腸癌なのど結腸に関わる癌の細胞死の速度を増加させました。 (参考)
この予備研究は興味をそそるものですが、アルガンオイルがヒトの癌の治療に使用できるかどうかを確かめるためにはさらなる研究が必要です。
5.治癒の促進
アルガンオイルは創傷治癒を促進する可能性があります。
ある動物実験ではレベル2の火傷にアルガンオイルを1日2回、14日間与えたラットにおいて、創傷治癒の有意な結果が認められました。 (参考)
このデータは確証をもたらすものではありませんが、創傷治癒と組織修復におけるアルガンオイルの役割の可能性を示しています。
こちらもまたヒトの研究が必要です。
6.肌と髪の毛の保湿
アルガンオイルの脂肪含有量の大半を占めるオレイン酸とリノール酸は、肌と髪の健康維持に欠かせない栄養素です。 (参考1) (参考2)
アルガンオイルは皮膚や毛髪に直接投与されることが多のですが、摂取しても効果があると言われています。
1件の研究では、アルガンオイルの経口投与および局所投与はいずれも閉経後女性の皮膚の水分含有量を改善しました。 (参考)
アルガンオイルを使った髪の毛の研究はありませんが、ある研究は、アルガンオイルと同等の栄養を持つ他の植物油が枝毛と他のタイプの髪の損傷を減らすかもしれないことを示しています。 (参考)
7.妊娠線の緩和
アルガンオイルは妊娠線の予防と縮小に頻繁に使用されています。
中には局所治療法も妊娠線縮小の有効な手段であるという強力な証拠はありません。 (参考)
しかし研究によるとアルガンオイルは炎症を抑え、皮膚の弾力性を改善する可能性があることが示されています。
そのため多くの人が妊娠線に使用して成功したと言っています。 (参考1) (参考2)
8.ニキビにも使用されます
アルガンオイルはニキビに効果的な治療薬だと主張する人もいますが、これを立証する科学的研究はありません。
アルガンオイルの抗酸化および抗炎症化合物は、ニキビによって引き起こされる皮膚の赤みと刺激を改善するかもしれません。 (参考1)(参考2)
また、ニキビの予防に重要な皮膚の水分補給にも役立ちます。 (参考)
アルガンオイルがニキビの治療に効果があるかどうかは、おそらくその原因にもよります。乾燥肌や全身の炎症に悩んでいる場合は、アルガンオイルが解決することがあります。 しかし、ニキビがホルモンにより発生しているものであれば、アルガンオイルはあまり効果的ではありません。
日常生活でアルガンオイルを使用する方法
アルガンオイルの人気が高まるにつれ、健康と美容に加えるのが簡単になりました。
ほとんどの大手食料品店・ドラッグストア・オンラインで広く購入できます。
肌用
アルガンオイルは通常、純粋なオイルの状態で局所的に使用されますが、ローションやスキンクリームなどの化粧品にも含まれているものもあります。
肌に直接塗ることもできますが、副作用が出ないように少量から始めるのが良いでしょう。
髪用
湿った髪や乾いた髪にアルガンオイルを直接塗ると、うるおいを高めたり、枝毛を防いだり、またうねりを軽減できます。この効果から、シャンプーやコンディショナーに含まれていることもあります。
初めてお使いになる方は、少量から様子を見てください。根元がオイリーな場合は、脂っぽくならないように毛先だけにアルガンオイルを塗りましょう。
料理用
食品にアルガンオイルを使用したい場合は、調理用に特別に販売されている品種を探すか、または100%純粋なアルガンオイルを購入するようにしてください。
化粧品として販売されているアルガンオイルは、摂取すべきでない他の成分と混合されることがあります。
伝統的に、アルガンオイルはパンにつけたり、クスクスや野菜にかけたりするのめに使われます。軽く温めることもできますが、焦げやすいので強火の料理には向いていません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
アルガンオイルは何世紀にもわたって、様々な料理・化粧品・医療目的に使用されてきました。
またアルガンオイルは、必須栄養素・抗酸化物質・抗炎症物質が豊富に含まれています。
初期段階の研究では、アルガンオイルが心臓病・糖尿病・がんなどの慢性疾患の予防に役立つ可能性が示されています。また、様々な皮膚疾患の治療にも用いられます。
現在の研究では、アルガンオイルがこれらの症状のいずれにも効果的であると明確に述べることはできませんが、多くの人が使用後に望ましい結果を得ています。
本記事を読んでアルガンオイルに興味を持っていただけた方は、是非使用してみてください。
ご一読ありがとうございました。
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