ヤーコンとは
ヤーコンとは中南米が原産地のキク科の根菜です。別名、アンデスポテトと呼ばれています。
食物繊維やミネラル、ポリフェノール などが含まれており健康食としても注目を浴びています。
また、ダイエット効果が期待されています。
ヤーコンの効果
ヤーコンから抽出されたヤーコンシロップにはダイエット効果があるとされています。
抽出方法はろ過され、メープルシロップの製造方法に似た無農薬の製造プロセスです。
最終生成物は甘い味のシロップで、色は濃く糖蜜に似た粘度を持っています。
原産地である南米ではヤーコンシロップは糖尿病の改善、腎臓・消化器の障害をサポートする効果が期待されています。
ヤーコンの研究結果
ヤーコンの研究結果は多岐に渡ります。
フルクトオリゴ糖であるフルクタンはヤーコンシロップの有効成分
ヤーコンシロップはフルクタンの一種でフルクトオリゴ糖 (FOS) の最良の食物源の一つです。フルクタンは水溶性食物繊維の一種です。
正確な含有量はそれぞれの量に異なりますが、ヤーコンシロップには約40~50%のフルクタンが含まれています。
それには消化できる糖分も含まれていますが、これらにはフルクトース・グルコース・スクロースが含まれ、シロップの甘味の元となります。残りはフルクトオリゴ糖とイヌリンとよばれる繊維です。
ヤーコンシロップは大部分が消化されないため、カロリーは砂糖のわずか3分の1、100グラムあたり約133カロリー、大さじ1杯が20カロリーとなります。
そのため、砂糖の代わりに低カロリーで利用できます。
フルクタンは最終的に大腸に到達し、消化器系の細菌に栄養を与えます。ここがヤーコンシロップの魅力です。
腸内の細菌は健康に非常に重要です。
細菌が正しく整っている人は下記の傾向があります。
・糖尿病のリスクが低い
・免疫力が高い
・脳機能が活発化する
ラットの研究では細菌がフルクタンを消化すると、強力な抗肥満作用をもつ短鎖脂肪酸も産生されました。(参考1), (参考2)
フルクタンが空腹ホルモンのグレリンを低下させ、食欲を減退させるというデータもあります。
フルクタンを含む食品はヤーコンだけではありません。
タマネギやニンニク、ネギなどの植物性食品にも少量含まれています。
ヒトにおける肥満およびインスリン抵抗性に対する有益な効果
ヤーコンは肥満や糖尿病にプラスの効果を及ぼすとされています。 (参考)
上記の試験は二重盲検プラセボ対照臨床試験で、参加者はコレステロール問題と便秘歴のある55人の肥満女性でした。
女性たちを2つのグループに分け、計40人の女性がヤーコンシロップを服用し、15人の女性が有効成分を含まない別の種類のシロップ (プラセボ) を服用しました。
彼らは全員低脂肪食を食べ、カロリーを控えめに制限するよう勧められました。研究期間はは約4カ月間でした。
研究の結果は、ヤーコン・シロップのグループの女性は、平均33ポンド(15キログラム)減量しました。同時にプラセボ群は平均3.5ポンド(1.6キログラム)体重が増加しました。
ヤーコンシロップのグループは胴囲の減少も認められました。
ヤーコンシロップのグループの女性は、胴囲が3.9インチ (10センチ) 減少しました。プラセボ群では有意な変化はみられませんでした。
ヤーコンシロップ群には他にもいくつかの作用が認められました。
肥満度指数 (BMI) は34から28に減少排便回数は0.28回/日から0.99回/日に増加し、効果的に便秘を解消空腹時インスリン値の42%低下糖尿病と心疾患の主要な危険因子であるインスリン抵抗性の67%低下LDL(悪玉コレステロール)が137 mg/dLから97.5 mg/dLまで減少(29%)全体的に、ヤーコンシロップを服用した女性は体重と代謝性健康の両方において劇的な改善を示し、プラセボを服用した女性はほとんど変化がありませんでした。
他のヤーコンシロップの可能性
ヤーコンシロップはフルクタンを多く含むため、他にもさまざまな健康なメリットがあります。 (参考)
・便秘改善
研究によるとヤーコンシロップは消化管通過時間を60時間から40時間に短縮し、排便回数を1日当たり1.1回から1.3回に増やしたとされています。(参考)
・血糖値を下げる
ヤーコンには血糖値を下げる効果がある言われています。こちらについては研究結果が十分ないため、効果を断定できません。
ヤーコンの副作用
ヤーコンシロップは一度にたくさん食べると副作用があります。
これは水溶性の食物繊維を多く摂取することで生じる副作用とよく似ています。腸に大量に含まれると、過剰なガス産生を引き起こします。
これにより、鼓腸・下痢・吐き気・消化不良が起こります。
そのため少量から始めて、徐々に摂取量を増やしていくのが一番です。
また、下痢に悩んでいる時にヤーコンシロップを摂取すると悪化する可能性があるため避けた方がいいかもしれません。
フルクタンはFODMAP(フォドマップ)と呼ばれる種類の繊維に属します。このため、ヤーコンシロップは過敏性腸症候群を含むFODMAPに耐えられない人々には不向きです。(参考)
最も顕著な研究で使用された用量は、1日当たり約10グラムのフルクタンであり、これは1日当たり約小さじ4~5杯(20~25グラム)のヤーコンシロップに相当します。
上記の研究では、シロップを食事の約1時間前に摂取しました。有効な投与量は朝食・昼食・夕食前に小さじ1~2杯(5~10グラム)です。ますは1グラムから始めましょう。
ヤーコンシロップは甘味料として使うこともできますが、高温(248°F以上または120°C以上)にするとフルクトオリゴ糖の構造が崩れてしまうため、調理や焼きができないことに注意してください。(参考)
タイミングも重要です。食事と一緒に食べるよりも、食事の30~60分前に摂取する方が食欲を減退させる効果的な方法のようです。
試してみたい方は是非純度100%のヤーコンシロップを摂取してみましょう。
フルクタンを含む他のサプリメントも入手可能で、そのほとんどはヤーコンシロップよりも格安ですが、これらのサプリメントが同じ効果を示すかどうかは分かっていません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ヤーコンから抽出されるヤーコンシロップには減量効果が期待されています。
しかし、痩せるからといって大量摂取は禁物です。過剰摂取すると腹痛や下痢など体調不良を引き起こす可能性があります。
そのため、日頃の食事に取り入れるなどして適量を継続して摂取することを心がけましょう。 最後まで一読いただきありがとうございました。
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