ほうれん草とは？エビデンスをもとに効果や副作用を解説

はじめに

ほうれん草はペルシャ原産の葉の多い緑の野菜です。

アマランサス科に属しビートやキノアと近いです。さらに、栄養素や抗酸化物質が豊富に含まれているため、非常に健康的だと考えられています。

ほうれん草を食べることで下記の恩恵を得ることができます。

・目の健康に維持、向上

・酸化ストレス減少

・がんの予防効果

・血圧の低下

この記事では、そんなほうれん草について知っておくべきことを説明します。

ほうれん草の栄養価

ほうれん草の栄養価は下記です。

生のほうれん草3.5オンス(100グラム)の栄養価です。（参考）

カロリー：23kcal

水：91%

たんぱく質：2.9g

炭水化物：3.6g

砂糖：0.4g

繊維：2.2g

脂肪：0.4g

ほうれん草に含まれる炭水化物のほとんどは繊維質でとても健康的です。

また少量の砂糖も含まれており、ほとんどがブドウ糖頼で果糖です。（参考）

ファイバーほうれん草には不溶性繊維が多く含まれており、健康を増進する可能性があります。（参考）

ビタミンとミネラル

ほうれん草は多くのビタミンやミネラルが含まれています。

例えば以下の成分です。

・ビタミンA

ほうれん草にはカロテノイドが多く含まれており、体でビタミンAに変わることがあります

・ビタミンC

皮膚の健康と免疫機能を促進する強力な抗酸化物質です。

・ビタミンK1

血液凝固に必須です。特にほうれん草の葉は1枚で1日の必要量の半分以上が含まれています

・葉酸

葉酸は別名、ビタミンB9とも呼びます。正常な細胞機能や組織成長に必要不可欠で、特に妊婦さんにおすすめの成分です。

・鉄

鉄は酸素を運ぶヘモグロビンをつくります。貧血防止効果が期待されています。

・カルシウム

骨や神経系・心臓・筋肉の健康維持に欠かせません。

また他にもカリウムやマグネシウム・ビタミンB6, B9, Eなど様々なビタミンやミネラルが含まれています。

植物化合物

ほうれん草にはいくつかの重要な植物化合物が含まれています。

（参考1） （参考2） （参考3） （参考4）（参考5）（参考6） （参考7）

・ルテイン

眼の健康改善効果が期待されています。

・ケンペロール

がんや慢性疾患のリスクを低下させる可能性があります。

・硝酸塩

心臓の健康を促進する可能性が期待されています。

・ケルセチン

感染症や炎症を予防する可能性が示唆されています。

・ゼアキサンチン

ルテインと同様に目の健康を改善することができるとされています。

ほうれん草の健康効果

ほうれん草は非常に健康的で、多くの健康効果があります。

目の健康維持、向上

ほうれん草には目の健康維持、向上効果が期待されているゼアキサンチンとルテインが豊富に含まれています。

特にこの2つの成分は日光によるダメージから目を守ってくれます。（参考）

加えて他の研究は、ゼアキサンチンとルテインが失明の主な原因である黄斑変性と白内障を予防するために働くことを示しています。（参考1）（参考2）（参考3） （参考4）

これらの化合物は、既存の損傷を回復させることも期待されています。（参考1） （参考2）

酸化ストレスの減少

ほうれん草には抗酸化物質が含まれており、酸化ストレスを減少させる効果もあるとされています。

不規則な食生活やストレスの蓄積が続くと老化やがん、糖尿病などの生活習慣病を引き起こすとされている活性酸素・フリーラジカルが過剰に生成されてしまいます。ほうれん草に含まれているビタミンやミネラルは活性酸素やフリーラジカルの生成を抑えるとされています。

また、健康な人8人を対象にした研究では、ほうれん草が酸化的損傷の予防に役立つことがわかりました。この研究は極めて小規模ですが、その知見は他の動物およびヒトの研究によって裏付けられています。（参考1）（参考2）（参考3） （参考4）

ガンの予防

ほうれん草にはMGDGとSQDGの2つの成分が含まれており、がん細胞の増殖を遅らせる可能性があります。

ある研究では、これらの化合物は子宮頸部の腫瘍の増殖を遅らせるのに役立ちました。腫瘍の大きさも縮小しました。 （参考1） （参考2） ヒトを対象としたいくつかの研究では、ほうれん草の摂取と前立腺がんのリスク低下が発表されています。この緑の葉を食べることは、乳がんの予防にも役立ちます。（参考1） （参考2）

同様に、ある動物実験はほうれん草ががん形成を抑制するかもしれないことを指摘しています。（参考）

さらにほうれん草には抗酸化物質が多量に含まれており、がん予防に効果があるかもしれません。（参考）

血圧の低下

ほうれん草には高濃度の硝酸塩が含まれており、これが血圧を適度に上昇させ、心疾患のリスクを低下させることが示されています。（参考1） （参考2）

また、27人を対象にした研究では、ほうれん草を食べると血圧が下がることがわかりました。他のいくつかの研究でも同様の効果が報告されていて、ほうれん草は心臓の健康を増進することが示されています。（参考1） （参考2）（参考3）

ほうれん草の副作用

ほうれん草は一般にとても健康的だと考えられていますが、一部の患者では腎結石など有害な作用を引き起こす可能性があります。

・腎臓結石

腎臓結石は酸とミネラル塩の蓄積によって起こります。最も多いのはシュウ酸カルシウムからなるカルシウム結石です。

ほうれん草にはカルシウムとシュウ酸塩の両方が多く含まれているため、腎臓結石の発生リスクが高い人は摂取量を制限すべきです。（参考1）（参考2）

・血液凝固

ほうれん草にはビタミンK1が多く含まれており、この栄養素は体内での機能を担っていますが、血液凝固に影響することで最もよく知られています。

そのため、抗凝血薬の使用を妨げる可能性があります。ワルファリンなどの血液希釈剤を服用している人は、ほうれん草を大量に食べる前に、医療従事者に相談する必要があります。（参考）

まとめ

いかがだったでしょうか？ ほうれん草は栄養価が高く、さまざまな健康メリットがあることをご理解いただけたかと思います。 是非、目の健康維持やアンチエイジング、がんの予防、血圧の低下に興味がある方はほうれん草を日常の食事に取り入れてみてください。

Powered by Froala Editor