マシュマロウとは？エビデンスをもとに効果や副作用を解説

マシュマロウとは？

マシュマロウ（Althaea officinalis）は、ヨーロッパ、西アジア、北アフリカが原産の多年草です。

何千年もの間、消化器系、呼吸器系、皮膚疾患の治療に民間療法として使用されてきました。

その治癒力は、それが含まれている粘液に起因する部分があります。

一般的にはカプセル、チンキ、またはお茶の形で消費されています。また、皮膚製品や咳止めシロップにも使用されています。

この植物の健康への強力な可能性について、この記事では触れていきます。

1. 咳や風邪の治療に役立つかもしれません。

マシュマロウの高い粘液含有量は、咳や風邪の治療に有用なレメディとなる可能性があります。

2005年の小規模な研究では、マシュマロウを含むハーブの咳止めシロップが、風邪、気管支炎、または粘液の形成を伴う呼吸器疾患による咳の緩和に効果的であることが明らかになりました。シロップの有効成分は、乾燥ツタ葉エキスで、また、タイムとアニシードも含まれていました。12日以内に、62人の参加者全員が86～90％の症状の改善を経験しました。しかしながら、これらの知見を検証するためには、さらなる研究が必要ではあります。

マシュマロウは、粘液をゆるめ、細菌を抑制する酵素として作用するようです。マシュマロウエキスを含むロゼンジは、乾いた咳やイガイガした喉に効果があります。

用法・用量: マシュマロウ咳止めシロップを1日10ミリリットル(mL)を目安にお飲みください。また、袋入りのマシュマロティーを1日中数杯お飲みいただいても構いません。

2. 皮膚の炎症を和らげることがあります

マシュマロウの抗炎症作用は、癤腫、湿疹、皮膚炎による肌荒れを緩和するのにも役立つかもしれません。

2013年のレビューでは、20％のマシュマロ根エキスを含む軟膏を使用すると、皮膚の炎症が軽減されることがわかりました。研究者は、ハーブが抗炎症作用を持つ特定の細胞を刺激することを示唆しています。

単独で使用した場合、マシュマロ根エキスは、抗炎症作用のある合成薬剤を含む軟膏よりもわずかに効果が低いことが分かりました。しかしながら、両方の成分を含む軟膏は、どちらか一方のみを含む軟膏よりも高い抗炎症活性を示した。

これらの知見を確認し、詳しく調べるためには、さらなる研究が必要です。

用法:マシュマロ根エキスを20％含む軟膏を1日3回、患部に塗布します。

皮膚パッチテストのやり方: 外用薬を使用する前にパッチテストを行うことが重要です。これを行うには、前腕の内側に薄目の量をこすりつけます。24時間以内に刺激や炎症がなければ、他の場所で使用しても安全なはずです。

3. 傷の治癒を助けることがあります

マシュマロウには抗菌活性があり、創傷治癒に効果を発揮する可能性があります。

ある2015年の動物実験の結果は、マシュマロウエキスがグラム陽性菌を治療する可能性があることを示唆しています。これらの細菌は、発生した感染症の50％以上の原因であり、抗生物質耐性を持った「スーパーバグ」が含まれています。ラットの創傷に局所的に塗布した場合、抗生物質を投与した対照群と比較して、このエキスは創傷の治癒を有意に増加させました。

治癒時間を早め、炎症を抑えると考えられていますが、これらの知見を確認するためにはさらなる研究が必要です。

使用方法:マシュマロ根エキスを含むクリームまたは軟膏を1日3回、患部に塗布します。

皮膚パッチテストのやり方:外用薬を使用する前にパッチテストを行うことが大切です。これを行うには、前腕の内側に薄目の量をこすりつけます。24時間以内に刺激や炎症がなければ、他の場所で使用しても安全なはずです。

4. 肌全体の健康を促進することがあります

マシュマロウは、紫外線（UV）にさらされた肌の見た目を改善するために使うことができます。行ってしまえば、太陽の下で外に出たことがある人は誰でも、マシュマロルートを局所的に塗布することで恩恵を受けることができるかもしれません。

2016年からの実験室での研究にて、UVスキンケア処方でのマシュマロウエキスの使用が推奨されているにもかかわらず、研究者たちはエキスを利用した科学的なメイクアップと実用的な応用方法については勉強不足と言えるでしょう。

使用方法: マシュマロウエキスを含むクリーム、軟膏、またはオイルを朝と夜に塗布します。日に当たった後は一層頻繁な塗布をお勧めします。

皮膚パッチテストのやり方: 外用薬を使用する前にパッチテストを行うことが重要です。これを行うには、あなたの前腕の内側にコイン玉ほどの量をこすりつけます。24時間以内に刺激や炎症がなければ、他の場所で使用しても安全なはずです。

5. 鎮痛剤としても利用できるかもしれません

2014年の研究では、マシュマロウが痛みを和らげる鎮痛剤として作用するという研究を引用しています。このことから、マシュマロウは、喉の痛みや擦り傷などの痛みや炎症を引き起こす症状を和らげるのに最適なのかもしれません。

使用方法: 1日3回、液体マシュマロエキス2～5mLを服用してください。また、不快感を感じる最初の兆候でエキスを摂取することもできます。

6. 利尿剤として働くことがあります。

マシュマロウは利尿剤としても作用する可能性があります。利尿剤は体の余分な水分を洗い流すのを助けます。これは腎臓と膀胱をきれいにするのに役立ちます。

他の研究では、エキスが泌尿器の健康全般をサポートすることができることを示唆しています。2016年のある研究では、マシュマロウの鎮静効果により、尿路の内部の炎症や和らげることができることが示唆されています。また、2015年の研究では、その抗菌作用が尿路感染症の治療に役立つ可能性があることを示唆しています。

使用方法:乾燥した根の小さじ2杯に熱湯1杯を加えて、新鮮なマシュマロウティーを作ります。袋入りのマシュマロウ茶を購入することもできます。一日を通して数杯のお茶を飲んでください。

7. 消化を助けることがあります

また、マシュマロウは、便秘、胸やけ、腸疝痛などの幅広い消化器疾患を治療する可能性を秘めています。

2011年の研究では、マシュマロウの花のエキスがラットの胃潰瘍の治療に潜在的な効果を示したことが明らかになりました。このエキスを1ヶ月間摂取したところ、抗潰瘍の活性が認められました。これらの知見をさらに発展させるためには、さらなる研究が必要とされています。

使用方法:1日3回、液体マシュマロウエキス2～5mLを服用してください。また、不快感がある場合の最初の兆候の段階で服用してください。

8. 腸内環境の修復に役立つかもしれません

マシュマロウは、消化管の炎症や皮膚の炎症を鎮めるのに役立つ可能性があります。

2010年の試験管の研究では、マシュマロウの水性抽出物と多糖類が、炎症を起こした粘膜の治療に使用できることが明らかになりました。研究では、粘液の含有量が消化管の内膜に組織の保護層を作ることが示唆されています。また、マシュマロウ根は組織の再生をサポートする細胞を刺激する可能性があります。

これらの知見をさらに発展させるためには、さらなる研究が必要とされています。

使用方法:1日3回、液体ママシュマロウエキス2～5mlを服用してください。また、任意の不快感の最初の兆候でエキスを取ることができます。

9. 抗酸化剤として作用する可能性がある

マシュマロウには抗酸化作用があり、フリーラジカルによるダメージから体を守る働きがあります。

2011年の研究では、マシュマロウエキスは標準的な抗酸化物質に匹敵することがわかりました。強い抗酸化活性を示しましたが、これらの知見を詳しく調べるにはさらなる研究が必要です。

使用方法:1日3回、液体マシュマロウエキス2～5mLをお召し上がりください。

10. 心臓の健康をサポートする可能性がある

科学者たちは、様々な心臓病の治療にマシュマロウの花のエキスの可能性を研究しています。

2011年の動物実験では、液体のマシュマロウの花のエキスの脂質血症、血小板凝集、炎症への治療効果が調べられた。これらの状態は、時に心血管疾患と関連しています。研究者らは、マシュマロウの花エキスを1ヶ月間摂取すると、HDLコレステロール値にプラスの効果があり、心臓の健康を促進することを発見しました。これらの知見をさらに発展させるためには、さらなる研究が必要です。

使用方法:1日3回、液体マシュマロウエキス2～5mLを服用してください。