ヤマイモの効果とは?栄養価の高いヤマイモの健康メリットを解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

ヤマイモ(ディオスコレア)はアジア、アフリカ、カリブ諸国などに起源がある茎菜類の植物です。(参考)

しばしば、サツマイモと混同されることがあります。 しかし、ヤマイモ(ディオスコレア)の方がより甘みも少なく、デンプン質が多くなります。

独特な茶色の樹皮のような外観をしています。 中身は白色、黄色、紫色、ピンク色など、ヤマイモの成熟度によって色が変わります。

この茎菜類であるヤマイモは、栄養価も高く、多用途に用いることができ、人の健康に対しても複数の有益な効能があると考えられています。

この記事では、ヤマイモの健康と栄養に対する11の効能を取り上げます。

ヤマイモの効果

1. 豊富な栄養

ヤマイモはビタミン、ミネラル、食物繊維などを豊富に含みます。

1カップ(136グラム)の焼いたヤマイモには下記のような栄養素が含まれます。(参考)

  • カロリー:158 
  • 炭水化物:37グラム 
  • タンパク質:2グラム 
  • 脂質:0グラム 
  • 食物繊維:5グラム 
  • ビタミンC:1日摂取量の18% 
  • ビタミンB5:1日摂取量の9% 
  • マンガン:1日摂取量の22% 
  • カリウム:1日摂取量の19% 
  • サイアミン:1日摂取量の11% 
  • 銅:1日摂取量の23% 
  • 葉酸:1日摂取量の6% 


ヤマイモは食物繊維の優れた供給源であるだけではなく、カリウムやマンガンなど、骨の健康、成長、代謝、心臓機能に対して重要な成分も多く含んでいます。(参考1, 参考2)

この茎菜類は、他にも銅やビタミンCなどの微量栄養素も多く含みます。

銅は、赤血球の生産や鉄の吸収に不可欠である他、ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち免疫システムを促進させる効果を持ちます。(参考1, 参考2, 参考3, 参考4)


Point:ヤマイモは多くの食物繊維、ビタミン、ミネラルを含みます。特に、カリウム、マンガン、銅、ビタミンCを豊富に含みます。


2. 脳機能の改善効果

ヤマイモを摂取することは、脳の機能を亢進する作用があると考えられています。

ある研究では、12週間にわたり被験者にヤマイモの抽出液サプリメントを投与したところ、摂取していた人で脳機能テストの点数がプラセボを摂取していた人達に比較して有意に改善したと報告されています。(参考)

ヤマイモは、ディオスゲニンと呼ばれる特別な化合物を含んでおり、これが神経の成長を促進して脳機能を助けると考えられています。(参考)

ディオスゲニンはまた、マウスを使った迷路のテストで、マウスの記憶力や学習能力の向上効果を示しました。(参考)

しかし、ヤマイモの脳の健康に対する効能を完全に理解するためには、今後の追加での研究が必要でしょう。



Point:ヤマイモはディオスゲニンと呼ばれる特殊な化合物を含み、記憶力や脳機能の改善に効果があると考えられています。


3. 更年期障害の症状軽減効果

ヤマイモは更年期障害の症状を軽減するかもしれません。

24名の更年期障害を持つ女性を対象とした研究では、1日3食のうち2食の主食を米からヤマイモ(390グラム相当)に変更して30日間観察を行いました。 結果、被験者の血中のエストロンが26%やエストラジオールが27%上昇したとされています。(参考)

血中エストロンやエストラジオールは、2つの種類のエストロゲンホルモンで、更年期障害になると一般的に減少します。 このエストロゲンレベルを向上させると、更年期障害の症状が軽減すると考えられています。(参考1, 参考2)

しかし、他の研究で天然のヤマイモクリームを局所に塗布し続けたところ、6ヶ月の使用でホットフラッシュ、夜間発汗などの更年期障害に対して明らかな効果が認められなかったと報告されています。(参考)

ヤマイモの更年期障害に対する効能を調べるためには、さらなる研究が今後も必要でしょう。


Point:ヤマイモは更年期障害の症状を軽減する効果があるかもしれません。しかし、研究の結果は一貫しておらず、これらの効能を調べるためには今後も研究が必要でしょう。


4. 癌に対する抑制効果の可能性

ヤマイモには抗癌作用があると考えられる、複数の抗酸化物質が含まれています。(参考1, 参考2)

動物を対象とした研究では、ヤマイモを多く含む食事の摂取が、有意に大腸癌の成長を抑制したとしています。 これらの効果は、ヤマイモに含まれる抗酸化物質に由来すると考えられており、これらの茎菜類が癌に対して抑制的に働くと期待されています。(参考1, 参考2)

さらに、試験管内で行われた実験では、中国産のヤマイモの特に皮の部分の抽出液成分が、肝臓腫瘍の成長を抑制し、抗酸化機能を発揮したとしています。(参考1, 参考2)

しかし、これらの研究結果は限定的で、今後も人を対象にした追加での研究が必要でしょう。


Point:動物を対象とした研究や、試験管内で行われる実験において、ヤマイモに含まれる抗酸化物質が癌に対して抑制的に働く可能性が示されています。しかし、現時点では人に対する研究データは不足しています。


5. 炎症の軽減効果

ヤマイモに含まれる抗酸化物質は、炎症を軽減すると考えられています。

慢性炎症は、心疾患、糖尿病、肥満など多くの疾患に関連していると考えられています。(参考1, 参考2, 参考3)

ヤマイモなどの抗酸化作用のある食物を摂取することで、慢性炎症を軽減が期待されています。(参考1, 参考2)

ラットを用いたいくつかの研究では、ヤマイモの粉末が大腸癌、過敏性腸症候群、胃潰瘍など、いくつかの病気に関連した炎症を軽減したとしています。(参考1, 参考2, 参考3, 参考4)

ヤマイモを摂取することが、人においても同様の抗酸化作用を発揮するのかについては、今後の追加での研究が必要でしょう。


Point:ヤマイモに含まれる豊富な抗酸化物質は、複数の疾患に関連する炎症反応を軽減するとされています。しかし、これらの研究データを確定づけるためには、今後も人を対象とした追加での研究が必要でしょう。


6. 血糖の改善効果

ヤマイモには血糖を改善する効果があるかもしれません。

ある研究では、ヤマイモの粉末もしくは、ヤマイモの抽出水を与えられたラットで、空腹時の血糖が低下し、ヘモグロビンA1c(HbA1c)が低下したとされています。 ヘモグロビンA1c(HbA1c)は、長期間の血糖コントロールの指標を指します。(参考)

また別な研究では、高量の紫ヤマイモを与えられたラットにおいて、食欲の抑制、体重減量、血糖の改善などの効果が認められたとされています。(参考)

さらに、他のラットを使用した研究でも、ヤマイモの粉末の投与が糖分の吸収を緩やかにして、血糖の改善効果につながったと報告しています。 これらの効果は、ヤマイモに含まれている消化に時間がかかるデンプン質と食物繊維に起因すると考えられています。(参考)

このデンプン質は、消化管を消化されずに通過することで知られています。 ヤマイモのデンプン質は、食欲の抑制、血糖改善、インスリンへの感度改善など、多くの健康への効能が期待されています。(参考)



Point:複数の動物を対象とした研究で、ヤマイモは血糖コントロールを改善したと報告されています。この効果は、その消化に時間がかかるデンプン質と、豊富な食物繊維によるものであると考えられています。


その他の効果

ヤマイモは多くの健康への効能に関連していると考えられています。

期待されている効能には以下のようなものが挙げられます。

  • 消化管機能の改善:ヤマイモの消化に耐性のあるデンプン質は、消化管の酵素を助けて、消化を促進し有益な腸内細菌の数を増やすと考えられています。(参考1, 参考2
  • 体重減量:ある動物を対象とした研究では、ヤマイモの抽出液が食欲を低下させ、体重減量に役立ったと報告されています。ヤマイモに含まれる食物繊維は、直接体重減少を促す効果も期待されています。(参考
  • 抗菌作用: 明らかな作用機序は不明であるものの、いくつかの研究でヤマイモの抽出液が特定の薬剤耐性菌に対して効果があったと報告しています。(参考1, 参考2
  •  コレステロール値の改善:ある研究では、390グラム(18オンス)を30日間摂取した女性で、血中コレステロール値が6%低下したと報告されています。 ヤマイモの豊富な栄養素が多くの健康への効能を発揮すると考えられていますが、これらの効能を詳しく評価するためには追加での研究が必要でしょう。(参考


Point:ヤマイモに含まれる豊富な栄養素のおかげで、ヤマイモの摂取は、体重減量、抗菌作用、消化管機能の改善、コレステロール値の改善などの効果を示すと考えられています。


ヤマイモの摂取方法

ヤマイモは多用途に適しており、献立に加えることも容易です。 ヤマイモは、生のままでも購入できる他、粉末状、小麦状、サプリメントとしてなど、多くの形態で流通しています。

ヤマイモは味も良い茎菜類で、パン焼きへの使用の他、煮る、蒸す、炙り焼きにするなどの用途へも使用ができます。

ヤマイモは、皮付きでも皮なしでも使用が可能で、甘い料理や香ばしい料理などに適しています。

以下が、ヤマイモの一般的な使用方法です。

  • ヤマイモのフライ:ヤマイモをクサビ型にカットして、味付けをし、焼くか揚げて調理します。 
  • ピューレ:ヤマイモが柔らかくなるまでにて、ブレンダーでピューレ状にして味付けをします。 
  • ヤマイモチップス:皮をむいたヤマイモを薄切りにして、焼いたり揚げたりして調理します。 
  • マッシュドポテト:皮をむいて煮た後に、ヤマイモを潰してミルクを加え、味付けを行います。 
  • 焼き芋:サイコロ状にしたヤマイモを柔らかくなるまで焼きます。 
  • ヤマイモのチーズグラタン:皮をむいたヤマイモを薄く切って、チーズと調味料と加えて焼きます。 
  • ハッシュドポテト:皮をむいてサイコロ状にしたヤマイモを味付けしてフライパンで調理します。 
  • 焼き物料理に加える:ヤマイモのピューレを、パンやマフィンに加えます。 


シナモン、ナツメグ、オレガノ、タイムなど、異なる味付けを施すことで、ヤマイモを使った甘い料理、香ばしい料理など多くの献立を作ることができます。


Point: ヤマイモは栄養価も高く、多用途に使用でき、調理も簡単で、献立に加えるには最適の食材です。


まとめ

ヤマイモは、多くの栄養を含む茎菜類で、多くの異なる色を持つ品種があります。

食物繊維、カリウム、マンガン、銅、抗酸化物質などを豊富に含みます。

ヤマイモは、多くの健康への効能に関連しており、脳の健康維持、炎症軽減、血糖改善などの効果が期待されています。

ヤマイモは多用途に使用され、使用も比較的簡単であり、甘い料理や香ばしい料理などに有用な野菜と言って良いでしょう。

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