はじめに
ブリオニアは、別名ブリオニーとも呼ばれ、便秘、胃の不調、体液貯留の治療に使用されてきた植物性ホメオパシーの薬です。また、関節炎、癌、肝臓病などの慢性疾患の治療にも使用されています。
ブリオニアのことを絶賛している人もいますが、そのような主張を裏付ける臨床研究は多くはありません。実際は、ほとんどの人がブリオニアを避けた方が良いのではないか、という理由もあります。
この記事では、ブリオニアに関する科学と、それを服用することによる潜在的なリスクや副作用について説明します。
ブリオニアとは?
ブリオニアはひょうたん科の植物で、12の異なる種類があります。ブリオニア・アルバ、またはホワイト・ブリオニーは、多くがホメオパシー・トニックと関連する種類です。
この植物は、東ヨーロッパと中央ヨーロッパ、特にスカンジナビアとバルカン地方が原産です。その白い花は、夏に有毒な赤い実をつけます。
ブリオニアの太い根には樹脂のような物質が含まれており、ホリスティックレメディに使われています。このエキスは、粉砕して粉末にしたり、蒸留してゲル状のカプセルにして経口摂取することができます。
ブリオニアの根の抽出物は、何千年もの間、民間療法で使用されています。しかし、その歴史について、あるレビューで言われているように、ブリオニアは今日ではかつてよりも治療薬としての人気が低くなり、薬用植物としての価値は低下しています。
ブリオニアのメリット
家庭の治療薬としてブリオニアを使用している人たちは、その天然植物の特性が特定の疾患に対して健康上の利益をもたらすと主張しています。
便秘の緩和
ブリオニアは催吐薬です。つまり、経口摂取すると嘔吐を引き起こす可能性があるということです。また、利尿作用もあるので、排尿量も増やすことがあります。このため、便秘や胃の不調、体液貯留の緩和のためにブリオニアを服用する人もいます。
抗炎症作用
ブリオニアの根には抗炎症作用がある可能性もあります。このため、多くの人が関節の痛みを和らげる目的や、一般的な鎮痛剤として服用しています。いくつかの人気のある関節炎に対するホメオパシー処方の成分リストには、ブリオニアが含まれています。
また、収縮することで、片頭痛の発作や頭痛の原因となるような血管を拡張させる効果があると考えて、頭痛薬としてブリオニアを使用する人もいます。
しかし、この目的のためにブリオニアを使用することに関しての研究では、賛否が別れています。2010年に行われたブリオニアとアルニカの抽出物を用いた臨床試験では、心臓手術後の炎症や出血に対して抽出物が効果を持つことは証明できませんでした。
抗がん作用
ブリオニアに含まれるユニークな化合物は、がんの代替療法としての可能性を秘めているかもしれません。少なくとも1つの古い研究では、ブリオニアの根の抽出物には抗腫瘍作用があることが示されました。これは、ブリオニアががん細胞の広がりを遅らせる可能性があることを意味しています。
最近では2017年に、ブリオニアは2つのがんの系統ー頭頸部扁平上皮がんと子宮頸部腺がんーに対して毒性効果があることがin vitroの研究で実証されています。この効果について、臨床試験はまだ行われていません。
ブリオニアのリスクや副作用
大量のブリオニアを服用すると、気分が非常に悪くなることがあります。どのような用量でもブリオニアを服用すると、以下のような症状を引き起こす可能性があります。
- 吐き気
- 嘔吐
- 疲労感
- 息切れ
- めまい
- 軟便
- 頻尿
ブリオニアの実には毒があり、絶対に食べてはいけません。
もし妊娠中の時は
妊娠中や授乳中の方は、どんな理由であってもブリオニアを経口摂取する前に医師に相談しましょう。
最後に
ブリオニアには利尿作用、抗炎症作用、抗がん作用を持っている可能性があります。しかし、胃の不調や肝臓の疾患を治療するためにホメオパシーの薬を探しているのであれば、副作用のリスクが少ない強力な植物由来の選択肢がたくさんあります。
ブリオニアが癌をどのように治療するのか、また関節の炎症に効果のある鎮痛剤であるかどうかについては、決定的なエビデンスはまだ多くありません。
ブリオニアの服用を始める前に、医師に相談してください。あなたが治療したいと思っている症状に対するブリオニアの代替品がないか、医師に相談してみてください 。医師から処方された薬の代用としてブリオニアを服用しないでください。
Powered by Froala Editor