ブラックコホシュとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

ブラックコホシュは花が咲く植物で、アメリカとカナダの一部で生育しています。

この多年生の植物は6月から9月にかけて白い花を咲かせます。しかし、その名前は黒い根っこに由来しています。根っこが治療に関する特徴を有していると考えられています。

ブラックコホシュの根には、病気を治療するために用いられてきた長い歴史があります。アメリカ先住民たちはブラックコホシュを幅広い用途に使用していました。

  • 腎臓疾患 
  • マラリア 
  • 関節リウマチ 
  • 関節炎 
  • 喉の痛み 
  • 陣痛の補助 
  • 生理痛 
  • 閉経 


初期のアメリカ入植者たちはブラックコホシュをヘビ咬傷、子宮や神経の異常などを治療するために用いました。ブラックコホシュは「Lydia Pinkham's Vegetable Compound」と呼ばれる1900年代に人気のあったハーブの月経痛治療薬の成分でもありました。

今日では、ブラックコホシュは主に閉経に伴う症状を改善させるために用いられています。この記事ではブラックコホシュがどのように使われているか、またその潜在的な副作用について触れていきます。

ブラックコホシュの利用方法

ブラックコホシュの根は乾燥させたり、お茶や液体抽出物にしたり、カプセルの形で封入したりして用いられます。時々、ハーブミックスの成分の一つして用いられることもあります。

レミフェミンは一つの例です。ヨーロッパでは40年間、更年期障害の薬として販売されてきた配合薬です。20ミリグラムのブラックコホシュ抽出物を含んでいます。

ブラックコホシュのサプリメントは濃縮液、錠剤やハーブ配合剤の一部として購入することができ、ほとんどの薬局やオンラインで入手可能です。

このハーブに関しては標準的な用量がありません。抽出物や配合剤はブラックコホシュの含有量が異なる場合があります。一般的には更年期障害の治療には20-40ミリグラムが使われます。

ブラックコホシュの効能

ブラックコホシュを使用した治療で最も研究されているのは、ほてりとその他の更年期症状に対するものです。しかし、実際に効果があるかについては未だ賛否が別れています。

いくつかの研究ではブラックコホシュは更年期の女性のほてりを減らし、気分や睡眠のパターンを改善すると報告しています。一方で、効果がないと報告している研究もあります。

専門家たちは、ブラックコホシュがどのように働き、なぜ更年期障害の改善に効果があるのかについて、まだ正確に解明したわけではありません。 一説には、まだ研究では明らかになっていませんが、ブラックコホシュがエストロゲン活性を持っている可能性があることです。これが理由で、ブラックコホシュは少なくともエストロゲン陽性の乳がんに対する治療を行っている女性に対しては有害である可能性があります。

効能に関する信頼性

National Center for Complementary and Integrative HealthTrusted Sourceが資金提供した研究では、ほてりや寝汗を軽減するためにブラックコホシュを単独または他のハーブと組み合わせて使用することの有効性について、相反する結果が報告されています。この研究に参加した女性は、閉経前または更年期でした。

International Journal of Reproductive BiomedicineTrusted Sourceに掲載された最近の研究は、イラン医学で使用されている他のいくつかのハーブとともに、ブラックコホシュが、ほてりの症状のある女性に対する有効な代替療法であることを示しました。

ほとんどの臨床研究は更年期障害の治療に焦点を当てています。研究に参加した女性の評価はおよそ6ヶ月間しか行われていません。このため、現在のアメリカ産科婦人科学会が出している、ハーブを更年期障害の治療薬として用いる際のガイドラインでは、ブラックコホシュの使用を6ヶ月以下に使用することが支持されています。

ブラックコホシュの副作用

ブラックコホシュに関しては、他のものよりも深刻な副作用もありますが、一般的には副作用は軽いです。主な副作用の一つは肝障害です。

肝障害の既往歴がある場合は、ブラックコホシュを使用しないでください。また、腹痛や黄疸、濃い色の尿などの、肝臓の異常を知らせる症状がある場合は使用を避けましょう。

ブラックコホシュの他の副作用には、以下のようなものがあります。

  • 胃の不調 
  • めまい 
  • 頭痛 
  • 吐き気 
  • 嘔吐 
  • 低血圧 
  • 不整脈 


ブラックコホシュはキンポウゲ科の植物と同じ科なので、キンポウゲにアレルギーがある人はブラックコホシュを試すべきではありません。

ブラックコホシュは妊娠中や授乳中に使用することは推奨されていません。妊娠中の女性には早産を引き起こすリスクがあります。授乳中の女性にハーブを使うことが安全かどうかはまだわかっていません。また、子供に使用することも推奨されていません。

ブラックコホシュの安全性と副作用

ハーブ、ビタミン、ミネラル、その他の植物エキスは、栄養補助食品と考えられています。これらは、食品医薬品局(FDA)によって規制される必要はありません。つまり、これらの製品は薬や食品のようにFDAによって定められた基準を満たす必要がないということを意味します。

メーカー側が製品の有効性について誤解を招くような主張をする可能性があります。また、成分もばらつきやすく、特に配合剤の場合はサプリメントに表示されている成分を含んでいないことがあるかもしれません。

栄養補助食品を購入する前には、サプリメントメーカーが大量のネガティブな評価をされていたり、未解決の訴訟の最中であったりしないかを確認してください。評判の良いメーカーからのみ購入するようにしましょう。

ハーブは他の薬と相互作用がある可能性があるので、治療にサプリメントを追加することについては、必ず医師に相談してください。

最後に

ブラックコホシュがほてりの治療に役立つというエビデンスはいくつかあります。しかし、専門家たちは、ブラックコホシュが更年期障害の症状を緩和するかどうかについて、確証が持てるような十分なデータを持っているわけではありません。6ヶ月以内の使用であれば、安全な代替療法となりえるでしょう。

ハーブを試してみようと思っている人は、まず医師に相談してみましょう。ブラックコホシュを服用することで効果が出るかもしれませんが、推奨されている治療法の代わりにはなりません。

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