カボチャを摂取するメリットとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

かぼちゃは、ウコン科に属する西洋南瓜の一種です。

北米原産で、特に感謝祭やハロウィンの季節に人気があります(参考)。

アメリカでかぼちゃ(パンプキン)といえば、一般的にはオレンジ色の冬かぼちゃの一種であるペポカボチャのことを指しますが、オーストラリアなどの地域では、あらゆる種類の冬かぼちゃを指すことがあります。

一般的には野菜として見られているかぼちゃですが、種を含むため科学的には果物と扱われます。とはいえ、栄養学的には果物よりも野菜に近いと言えるでしょう。

かぼちゃは美味しいだけでなく、栄養価が高く多くの健康上のメリットと結びついています。

この記事では、かぼちゃの素晴らしい栄養と健康効果を9つご紹介します。

かぼちゃのメリット7選

1. 栄養価が高くビタミンAが豊富

かぼちゃには素晴らしい栄養素が含まれています。

調理したかぼちゃ1カップ(245g)には、以下の栄養素が含まれています(参考)。

  • カロリー: 49kcal 
  • 脂肪:0.2g 
  • タンパク質:2g 
  • 炭水化物:12g 
  • 食物繊維:3g 
  • ビタミンA:基準1日摂取量(RDI)の245% 
  • ビタミンC:RDIの19% 
  • カリウム:RDIの16% 
  • 銅:RDIの11% 
  • マンガン:RDIの11% 
  • ビタミンB2:RDIの11% 
  • ビタミンE:RDIの10% 
  • 鉄:RDIの8% 
  • 少量のマグネシウム、リン、亜鉛、葉酸、数種類のビタミンB群。 


かぼちゃは、ビタミンやミネラルが豊富に含まれているだけでなく、94%が水分であるため、カロリーも比較的低く抑えられています(参考)。

また、体内でビタミンAに変換されるカロテノイドの一種、βカロテンが非常に多く含ます。

さらに、かぼちゃの種は食用にもなり、栄養価が高く多くの健康効果があると言われています。



Point: かぼちゃは低カロリーでありながら、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。また、体内でビタミンAに変換されるカロテノイドの一種、βカロテンも非常に多く含ます。


2.高い抗酸化物質が慢性疾患のリスクを減らす可能性

フリーラジカルは、体の代謝過程で生成される分子です。非常に不安定ですが、有害な細菌を死滅させるなどの重要な役割を持っています。

しかし、体内にフリーラジカルが過剰生成されると、酸化ストレスと呼ばれる状態になり、心臓病やがんなど、慢性疾患との関連が指摘されています(参考)。

かぼちゃには、α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチンなどの抗酸化物質が含まれています。このような物質はフリーラジカルを中和し、細胞にダメージを与えるのを抑えることができます(参考)。

試験管内実験や動物実験では、これらの抗酸化物質が紫外線ダメージから肌を守り、がんや眼病などのリスクを下げることが示されています(参考1参考2)。

しかし、この理由でかぼちゃの摂取推奨を行うためには、より多くの臨床研究が必要であることに注意が必要です。


Point: かぼちゃには、抗酸化物質であるα-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチンなどが含まれており、フリーラジカルによるダメージから細胞を保護してくれる可能性があります。


3. ビタミンが免疫力を高める

かぼちゃには免疫力を高める栄養素がたくさん含まれています。

例えばβ-カロテンが豊富に含まれており、体内ではビタミンAに変換されます。

研究によると、ビタミンAは免疫システムを強化して感染症と戦う際に役立つことがわかっています。逆にビタミンAが不足している人は、免疫システムが弱くなる可能性もあります(参考1参考2参考3)。

かぼちゃにはビタミンCも多く含まれており、白血球の生産を増やし、免疫細胞がより効果的に働くよう助け、傷を早く治す効果があるとされています(参考1参考2)。

上記の2つのビタミン以外にも、かぼちゃはビタミンE、鉄分、葉酸の良い供給源であり、これらはすべて免疫システムを助けることが示されています(参考)。


Point: かぼちゃには、免疫力を高めるビタミンAとCが豊富に含まれています。ビタミンE、鉄分、葉酸も豊富なのでさらに免疫力を高めることができます。


4. ビタミンA・ルテイン・ゼアキサンチンが視力を守る可能性

年齢とともに視力が低下することはよく起こり得ます。

幸いなことに、正しい栄養素を摂ることで視力低下のリスクを下げることができます。かぼちゃには、年齢を重ねるごとに視力を維持するため必要な栄養素が豊富に含まれています。

例えば、かぼちゃのβ-カロテンは体に必要なビタミンAを補います。ビタミンAの欠乏は失明の原因として非常に多いことが研究で明らかになっています(参考1参考2)。

22の研究分析によると、β-カロテンの摂取量が多い人ほど、失明の一般的な原因である白内障のリスクが有意に低いことが判明しました(参考)。

かぼちゃは、ルテインとゼアキサンチンがとても豊富に含まれており、この2つの化合物は加齢黄斑変性症(AMD)と白内障のリスク低下と関連づけられています。(参考)。

さらに、抗酸化物質として機能し、フリーラジカルが目の細胞に与えるダメージを防ぐビタミンCとEも豊富に含まれています。


Point: かぼちゃに多く含まれるビタミンA、ルテイン、ゼアキサンチンは、加齢とともに増える視力低下から目を保護してくれる可能性があります。


5.低カロリーと高い栄養素密度が減量を助ける可能性

かぼちゃは栄養価の高い食品とされています。

つまり、栄養素がたくさん凝縮しているにもかかわらず、信じられないほど低カロリーということです。

実際に、かぼちゃは1カップ(245g)あたり50kcal以下で約94%が水分で構成されています(参考)。

簡単に言えば、かぼちゃはカロリーで考えると他の炭水化物(米やジャガイモなど)よりも多く摂取することができるため、ダイエットに適した食品と言えます。

さらに、食欲を抑制することができる食物繊維がかぼちゃには豊富です。



Point: かぼちゃには栄養が凝縮していますが、1カップ(245g)あたりのカロリーは50kcal以下です。そのため、栄養価の高い食品と言えます。また、食物繊維も豊富なので、食欲を抑えることができます。


6. 抗酸化物質が、がんリスクを下げる可能性

がんは異常細胞が増殖する重篤な病気です。

がん細胞はフリーラジカルを生成して、細胞の急激な増殖を助長します (参考)。

かぼちゃは、抗酸化物質として機能する化合物のカロテノイドが多く含まれています。フリーラジカルを中和することができ、特定のがんから保護する可能性があります。

例えば、13の研究分析では、α-カロテンとβ-カロテンの摂取量が多い人ほど胃がんのリスクが有意に低いことが示されています(参考)。

同様に、他の多くの臨床研究では、カロテノイドの摂取量が多い人は、喉、膵臓、乳房、その他のがんリスクが低いことがわかっています(参考1参考2参考3)。

しかし研究者は、この結果がカロテノイド独自のものか、または対象とした人の生活習慣によるものなのかは明言できていません。


Point: かぼちゃには、抗酸化物質として機能するカロテノイドが含まれています。これらの化合物は、胃がん、咽頭がん、膵臓がん、乳がんのリスクを低下させることに関連しています。


7. カリウム・ビタミンC・食物繊維が心臓の健康に役立つ可能性

かぼちゃには、心臓の健康を増進させる様々な栄養素が含まれています。

カリウム、ビタミンC、食物繊維が多く含まれており、これらの栄養素は心臓に良い影響を与えます。

例えば、心臓病の2つの危険因子である高血圧と脳卒中ですが、カリウムの摂取量が多い人は血圧が低く心臓病のリスクが低いように見えるという研究結果があります(参考1参考2)。

かぼちゃには抗酸化物質も多く含まれており、LDL(悪玉)コレステロールを酸化から守る可能性があります。LDLコレステロールの粒が酸化すると血管の内壁に沿って塊になり、血液の流れを制限し、心臓病のリスクを高めてしまいます(参考1参考2)。


Point: かぼちゃは、カリウム、ビタミンC、食物繊維、抗酸化物質を豊富に含んでおり、心臓の健康に良いとされています。


8. 健康な肌を保つ化合物が含まれている

かぼちゃには、お肌にうれしい栄養素がたくさん凝縮しています。

例えば、β-カロテンのようなカロテノイドが多く含まれており、体内でビタミンAに変換してくれます。

実際、調理済みのかぼちゃ1カップ(245g)は、ビタミンAのRDI(基準1日摂取量)の245%を含んでいます。(参考)

研究では、β-カロテンのようなカロテノイドは、天然の日焼け止めとして機能すると示しています(参考)。

摂取すると、カロテノイドは皮膚を含む様々な器官に運ばれます。有害な紫外線ダメージから皮膚細胞を保護するのにも役立ちます(参考)。

かぼちゃには、健康な肌に欠かせないビタミンCも豊富に含まれています。コラーゲンとよばれる肌を丈夫で健康に保つたんぱく質を作るために必要とされています (参考)。

さらに、かぼちゃにはルテイン、ゼアキサンチン、ビタミンE、その他多くの抗酸化物質が含まれており、紫外線に対する肌の防御力を高めることがわかっています(参考1参考2)。



Point: かぼちゃには、天然の日焼け止め効果のあるβ-カロテンが豊富に含まれています。また、ビタミンC、ビタミンE、ルテインやゼアキサンチンも含まれており、肌を丈夫で健康的に保つことができます。


9. 非常に多用途で、食事に取り入れやすい

かぼちゃは美味しくて、汎用性が高く、食事に加えるのも簡単です。

甘い風味は、カスタード、パイ、パンケーキなどの料理に活かされる人気の食材です。しかし焼き野菜やスープ、パスタなどの香ばしい料理にもよく合います。

かぼちゃは皮が固いので、切るのに一手間かかりますが、切り終わったら種や筋のある部分を除いてから、くし切りします。

種は食べてもよいですし、栄養素が凝縮しているので様々な効果が期待できます。例えば、かぼちゃの種は膀胱や心臓の健康状態を改善する可能性があります(参考1参考2)。

また、カット済みのかぼちゃ、缶詰などもありレシピや準備がしやすくなります。缶詰を購入する場合は製品ラベルをよく読むようにしましょう。すべての製品が100%かぼちゃとは限らないので、添加物、特に砂糖は避けた方がよいでしょう。

かぼちゃの一番簡単な食べ方は、塩コショウで味付けしてオーブンで焼くことです。また、多くの人がパンプキンスープにして楽しんでいます。


Point: 切ったかぼちゃは簡単に焼いたり、ピューレにしてスープに入れたり、パイを焼いたりすることができます。かぼちゃの種も栄養価が高く食べることが出来ます。


かぼちゃを食べてはいけない人は?

かぼちゃは非常にヘルシーで、ほとんどの人にとっては安全だと考えられています。

しかし、かぼちゃを食べるとアレルギーを起こす人もいます (参考)。

また、かぼちゃには軽度の利尿作用があると考えられており、かぼちゃをたくさん食べると「ウォーターピル(利尿剤)」のような反応が起こり、尿を通して体から排出される水分や塩分量が多くなる可能性があります(参考)。

この効果は、リチウムなど特定の薬を服用している人にとって害を及ぼす可能性があります。利尿剤はリチウムの成分を体外に排出する能力が弱まり、重篤な副作用を引き起こす可能性があります(参考)。

かぼちゃ自体はヘルシーですが、ラテ、キャンディー、パイのフィリングなど、かぼちゃをベースにしたジャンクフードの多くは、砂糖を添加したものが多く含まれています。これらの食品は、果物を消費するのと同じ健康上の利点を提供していません。


Point: かぼちゃは非常にヘルシーで、適度に食べれば一般的に安全な食物です。かぼちゃを使ったジャンクフードは、砂糖が入っていることが多いので、避けるようにしましょう。


最後に

ビタミン、ミネラル、抗酸化物質が豊富なかぼちゃは、非常にヘルシーです。

さらに、低カロリーなのでダイエットにも適しています。

含まれる栄養素と抗酸化物質は、免疫力を高め、視力を保護し、特定のがんリスクを下げ、心臓や皮膚の健康を促します。

かぼちゃはとても多用途で、甘い料理にも塩味のある料理にも簡単に取り入れることができます。

かぼちゃの健康効果を享受するために、今すぐ食生活にかぼちゃを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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