ペパーミントとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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ペパーミントとは?

ペパーミントは、ウォーターミントとスペアミントをブレンドして作られた芳香植物です。

食品、化粧品、石けん、歯磨き粉、マウスウォッシュなどの香りづけや、また薬用としても使用されることがあります。ペパーミント(セイヨウハッカ)の葉は、乾燥・生を問わずお茶に入れて楽しむことができます。また、ヨーロッパが原産ですが、現在では世界中で栽培されています。

この記事は、ペパーミントの効果や副作用についてご紹介します。

👍 POINT

  • ペパーミントは、ウォーターミントとスペアミントの混合物
  • 葉、カプセル、オイルの形態で入手可能
  • ペパーミントは、過敏性腸症候群(IBS)、吐き気、皮膚疾患、頭痛、風邪、インフルエンザに対して健康効果を示している
  • 薬と相互作用することがあり、胃腸に問題のある方には不向き


ペパーミントの摂取方法

ペパーミントは、新鮮な葉や乾燥した葉の形で、食品やお茶として使用されています。ペパーミントの精油は、チンキ剤、塗る風邪薬(ヴィックスヴェポラップ®のようなもの)、クリームに使用されます。

また、飲用に腸溶性カプセルに入れて飲むこともできます。そうすることで、ペパーミントが腸内通過するようになります。

ペパーミント精油は、ペパーミントの植物から水蒸気蒸留法で抽出した濃縮オイルです。花が咲く前の生の植物を丸ごと、または部分的に乾燥させたものが使用されます。

ペパーミントオイルの化学成分は下記で構成されています。

  • メントール(40.7%) 
  • メントン(23.4%) 
  • 酢酸メンチル  
  • 1,8-シネオール 
  • リモネン 
  • ベータピネン 
  • ベータカリオフィレン


他のエッセンシャルオイルと同様に、ペパーミントエッセンシャルオイルは経口摂取してはいけません。肌に塗る際は事前にキャリアオイルで希釈する必要があります。

ペパーミントの効果

ペパーミントは、人気のある伝統療法で多くの症状に効果があります。

鎮静効果があると考えられています。また、鼓腸、生理痛、下痢、吐き気、抑うつ関連の不安、筋肉や神経の痛み、風邪、消化不良、IBSの治療に使用されています。

消化不良


メリーランド大学医療センター(UMM)によると、ペパーミントには胃の筋肉を落ち着かせ、胆汁の流れを良くする効果があるとのことですので、消化不良の人にも適しています。

過敏性腸症候群


学術研究では、様々な形態のペパーミントが過敏性腸症候群(IBS)の症状の治療に役立つことが示唆されています。その症状には、痛みや膨張、下痢などがあります。

2008年に英国の医学雑誌(BMJ)で発表された研究では、ペパーミントはIBSの治療に鎮痙作用があると結論づけられました。鎮痙作用とは、痙攣や不随意運動の強さや頻度を減らす作用のことです。

いくつかの研究では、ペパーミントがIBSに関連した痛みを軽減するのに役立つ可能性があることが示されています。2013年に発表された研究では、IBSによる下痢の患者の腹痛の治療にペパーミントが有用であることがわかっています。

オーストラリア、アデレード大学の研究チームは、ペパーミントが大腸の痛みをに対抗する機構を活性化させ、結果として腸内の炎症性疼痛が軽減されると結論づけています。

皮膚の状態


ペパーミントオイルは、肌の炎症やかゆみを鎮めたり、赤みを抑えたりするために広く使われています。ペパーミントのエッセンシャルオイルは、必ず薄めてから使用してください。

ミネラルオイルやオリーブオイルなどのキャリアオイル1オンス(約30ml)に、エッセンシャルオイルを3~5滴混ぜたものを使用するのが良いでしょう。使用する前に、少量を前腕につけてパッチテストを行い、アレルギー反応がないことを確認してください。

しかし、この使用法を支持するエビデンスはまだ十分ではありません。

頭痛や偏頭痛


ペパーミントオイルを希釈したものを額に塗ると、緊張型頭痛の治療に効果的であることが判明しています。

アメリカの家庭医学誌に掲載された記事では、ペパーミントオイルが平滑筋にリラックス効果をもたらし、バリウム浣腸中に大腸の痙攣を経験している人の役に立つとのことです。

記事の著者らは、ペパーミントオイルを部分的に使うと緊張性頭痛の症状緩和に役立つことを実証した2つの試験を引用しています。そのうちの1つの試験では、ペパーミントオイルは痛みの緩和にタイレノールやパラセタモール(どちらも鎮痛剤)と同等の効果があることがわかりました。

風邪やインフルエンザ


ペパーミントの主な化学成分であるメントールは効果的な鎮痛剤です。鎮痛剤は、鼻腔内の腫れた粘膜を縮小し呼吸をしやすくします。

また、メントールは去痰剤でもあります。咳をする人には、去痰剤は肺の粘液を緩め、肺からの粘液を吸い上げるので役に立ちます。

2015年にアメリカの化学学会が発表した論文では、科学者たちは次のように結論づけています。

「幅広い抗菌特性に基づき、オルバスは皮膚や呼吸器系の合併症を伴わない感染症の治療に有用な薬剤である」 ―R. ルプレヒト・カールス大学医学部ハムード、F.スポラー、J.ライヒリング、M.ウィンク

オルバスは、ペパーミントオイル、ユーカリオイル、カジュパットオイルを含む複雑なエッセンシャルオイルの蒸留物で構成されています。オルバスは吸入を目的としています。

妊娠中の吐き気や嘔吐


妊娠中に吐き気を経験する多くの妊婦は、様々な形態のペパーミントを使用することで効果があったと声が上がっています。しかし、研究では結論が出ていなかったり、矛盾した結果が出ていたりします。

クリグラー博士とショーダレイは、様々な目的でのペパーミントオイルの有効性を研究し、「ペパーミントオイルは古来より月経を誘発するために使用されてきたので、妊娠中は避けるべきである 」と警告しています。

イランのファテメ・ザラ不妊治療および不妊症健康研究センターの研究者は、ミントは妊娠中の吐き気や嘔吐の改善に何の影響もないと結論づけています。

妊娠中の女性がペパーミントを摂取する際には事前に医師に相談する必要があります。

化学療法による嘔吐の緩和

吐き気や嘔吐は、化学療法中のがん患者にとって一般的な副作用です。いくつかの研究では、ペパーミントが症状を緩和するのに役立つことがわかっています。

イーキャンサー・メディカルサイエンス誌に発表された研究では、ペパーミント精油を吸入した患者は、プラセボ群と比較して「最初の24時間における嘔吐イベントの強さと階数が有意に減少した」ことが明らかになりました。

著者らは、ペパーミント精油は 「患者の制吐(吐き気止め)治療には安全で効果的であり、費用対効果も高い 」と結論づけています。

慢性的な傷の治療と治癒

ACSナノ誌に発表された研究では、科学者達がペパーミントとシナモンからの抗菌化合物を小さなカプセルに閉じ込める方法を発見しました。バイオフィルム(微生物の集合体)死滅させる治療を積極的に促すことができるのです。

ペパーミントオイルとシナモンに含まれる化合物であるシナマルアルデヒドをシリカナノ粒子に詰めることに成功したのです。

マイクロカプセル化したことで、抗生物質耐性菌1株を含む4種類の細菌に効果があったとのことです。また、傷の治癒にとって重要な細胞である線維芽細胞の増殖を促進しました。

ペパーミントの副作用と安全性

ペパーミントも例に漏れず、他のハーブやサプリメントや薬剤と相互作用する可能性があります。また、ペパーミントは感受性の高い人にとっては副作用を引き起こしたりアレルギーが起こったりする可能性があります。

すでに薬を服用している人は、ペパーミントを使用する前に医師に相談してください。

ペパーミントは幼児には使用しないでください。顔に塗ると、命に関わる呼吸障害を引き起こす可能性があります。

次のような方にはお勧めできません。

  • 糖尿病の方は低血糖や低血糖のリスクを高める可能性があります。
  • 裂肛ヘルニアを持っている方
  • 胃食道逆流症(GERD)の方


ペパーミントは、以下を含むいくつかの薬剤と相互作用する可能性があります。

  • シクロスポリン(臓器移植後の患者の拒絶反応を防ぐ薬剤)
  • ペプシド、ザンタックなどの胃酸を下げる薬
  • 血糖値を下げる糖尿病薬
  • 高血圧治療薬
  • 肝臓で代謝される薬


制酸剤と併用してはいけません。これは、ペパーミントのサプリメント製剤の中にはカプセル状のものがあるからです。制酸剤を服用している場合、制酸剤によってコーティングが急速に分解され、胸やけのリスクを高める可能性があります。

ペパーミントは、歯垢、帯状疱疹、尿路感染症、口腔内の炎症など、他の疾患の治療のための調剤薬としても使用されています。

有効性や安全性を確認するエビデンスはありませんが、メリーランド大学医療センター(UMM)は、ペパーミントがある種のウイルスや真菌、バクテリアを死滅させる可能性があると指摘しています。

最後に

今回は、ペパーミントについての解説を行いました。

alloehでも、ペパーミントを含む商品の解説を行っていますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

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