ココナッツオイルとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

alloeh編集部

最終更新日:2020/05/12

ココナッツ原材料解説

はじめに

世界中でココナッツオイルの消費は伸びています。

しかしながら、これは非常に議論の多い食物です。

一方ではココナッツオイルはいくつもの健康効果があると報告されています。

もう一方では、心臓の健康にリスクがある可能性があるとされています。
生産量の増加に関して環境上の懸念もあります。

この記事ではココナッツオイルの詳細と、その健康、環境、そして持続可能性への影響について見ていきます。

ココナッツオイルとは?

ココナッツオイルは新鮮な油やしの実からとれます。
精製されていないココナッツオイルは時に、その赤からオレンジ色の色から、赤ココナッツオイルと呼ばれます。

ココナッツオイルの主な生産源は学名: Elaeis guineensisの木であり、これは西及び南西アフリカ原産です。
この地域では5,000年以上前から使われています。

学名:Elaeis oleiferaとして知られるよく似た油やしが南アメリカにありますが、それは商業的にはあまり育てられません。
しかしながら、これらの2つの木のかけあわせたものがココナッツオイル生産に使われることもあります。

最近、油やしの育成がマレーシアやインドネシアを含む東南アジアで広がっています。
これらの2つの国は世界中の油やし供給の80%以上を生産しています(参考)。

ココナッツオイルと同じように、ココナッツオイルは室温では半固体です。
しかしながら、その融点は35度で、ココナッツオイルの24度よりもかなり高いです。これは2つの油の脂肪酸の構成が異なるためです。

ココナッツオイルは世界で最も安く人気のある油の1つであり、世界の植物油生産の1/3を占めています(参考)。
ココナッツオイルとパーム核油を混同しないことは重要です。

どちらも同じ植物が原料ですが、パーム核油は果実の種から抽出されます。
パーム核油は異なる健康効果を提供します。


Point: ココナッツオイルはアフリカ原産のヤシの木から作られ、アフリカでは何千年も使われています。ココナッツオイルは室温では半固体であり、パーム核油とは栄養素の構成が異なります。


ココナッツオイルはどのように使われるのか?

ココナッツオイル料理に使われ、また食料品店の多くの総菜にも加えられています。

その味には風味があり素朴であると考えられています。
人によってはその香りはニンジンやカボチャに似ていると表現します。

この油は西アフリカや熱帯の料理には必需品であり、カレーなどのスパイシーな食べ物に特によく合います。

ココナッツオイルは、煙点が232度と高く高温でも安定していることから、炒め物や揚げ物によく使われます(参考)。

ココナッツオイルは時に、安定剤として瓶の上部で油が分離して沈殿するのを防ぐため、ピーナッツバターなどのナッツ系のバターに加えられます。

ナッツ系のバターに加え、ココナッツオイルはいくつもの他の食べ物にもみられます。この中には以下を含みます:

  • シリアル 
  • パン、クッキー、マフィンのような焼いたもの 
  • プロテインバーやダイエットバー 
  • チョコレート 
  • コーヒークリーム 
  • マーガリン 


1980年代に、熱帯の油を摂取すると心臓の健康が危険にさらされるという懸念から、ココナッツオイルは多くの製品でトランス脂肪酸と置き換えられました。

しかしながら、その後の研究がトランス脂肪酸の健康上のリスクを明らかにしたことから、食品製造者はココナッツオイルの使用に戻っています。

この油は、歯磨き粉、せっけん、化粧品といった食べ物以外の製品にも多く見られます。
これに加え、ココナッツオイルは代替エネルギー源であるバイオディーゼル燃料の生産にも使われます(参考)。


Point: ココナッツオイルは特に西アフリカ料理やカレーといった料理に使われます。他にも特定の食べ物、製品、燃料に見られます。


ココナッツオイルの栄養成分

これがテーブルスプーン一杯(14グラム)のココナッツオイルの栄養構成です(参考):

  • カロリー:114 
  • 脂肪:14グラム 
  • 飽和脂肪:7グラム 
  • 1価不飽和脂肪:5グラム 
  • 多価不飽和脂肪:1.5グラム 
  • ビタミンE:RDIの11% 


ココナッツオイルのすべてのカロリーは脂肪からきています。
その脂肪酸の内訳は50%が飽和脂肪酸、40%が1価不飽和脂肪酸、10%が多価不飽和脂肪酸です。

ココナッツオイルに見られる主なタイプの飽和脂肪はパルミチン酸であり、全体のカロリーの44%を占めます。
また、高量のオレイン酸や少量のリノール酸やステアリン酸も含んでいます。

赤パーム油の赤みがかかったオレンジ色の色素は、体がビタミンAに変換できるベータカロチンなど、カロテノイドとして知られる抗酸化物質に由来するものです。

分離されたパーム油では、液体部分は結晶化及びろ過プロセスにより取り除かれます。
残った個体部分は飽和脂肪が多く、融点が高いです(参考)。


Point: ココナッツオイルは100%脂肪であり、その半分は飽和脂肪です。その中にはビタミンEが含まれ、赤ココナッツオイルには、体がビタミンAに変換できる、カロテノイドと呼ばれる抗酸化物質が含まれています。


ココナッツオイルの健康上効果がある可能性

ココナッツオイルはいくつもの健康効果と関わっており、その中には脳機能の保護、心臓病のリスクの低減、ビタミンAの状況の改善が含まれます。

脳の健康

ココナッツオイルには、脳の健康をサポートする可能性があり、強力な抗酸化機能を持つビタミンEの1形態である、トコトリエノールが非常に多く含まれています。

動物と人間での研究によるとココナッツオイルのトコトリエノールは脳の中の繊細な多価不飽和脂肪を保護する可能性があり、認知症の進行を遅らせ、脳卒中のリスクを減らし、脳病変の成長を防ぐのに役立つ可能性があるとしています(参考1参考2参考3参考4参考5)。

121人の脳病変患者の2年にわたる研究によると、ココナッツオイル由来のトコトリエノールを1日2回摂取したグループが安定状態を保ったのに対し、偽薬を摂取したグループは病変の成長がみられました(参考)。

心臓の健康

ココナッツオイルは心臓病に対して保護の効果があると信じられています。

研究の結果はまちまちですが、この油は悪玉であるLDLコレステロールを下げ、善玉であるHDLコレステロールを上げるという効果を含み、心臓のリスクファクターに有益な効果があるとみられています(参考1参考2参考3参考4参考5参考6参考7参考8)。

51の研究を大規模に解析した結果によると、総コレステロールおよびLDLコレステロールレベルはココナッツオイルが豊富な食事をとった人の方が、トランス脂肪酸やミリスチン酸、ラウリン酸が豊富な食事をとった人よりも下がりました(参考)。

最近の3ヵ月の研究で、学名:Elaeis guineensisと学名Elaeis oleiferaを掛け合わせたココナッツオイルのコレステロール低減効果について着目しています。

この研究では、被験者が25ミリリットル(テーブルスプーン2杯)のオリーブオイルまたは掛け合わせたココナッツオイルを毎日摂取しています。
どちらも15%のLDLコレステロールの低減効果があったことから、研究者たちはこのココナッツオイルを「熱帯のオリーブオイル」と呼ぶことを提案しています(参考)。

とはいうものの、LDLコレステロールのレベルだけが上がったり下がったりすることでは心臓病のリスクを推測することはできないことを述べておくことは重要です。他にも多くの要素がかかわっています。

しかしながら、1995年に行われた制御された研究によると、ココナッツオイルは心臓病にかかった人々の進行を遅くするのを助けるとのことです。

この18か月の研究では、25人のうち7人がココナッツオイルで治療することで改善し、16人がそのままでした。これに対し、偽薬を摂取した25人のうち10人が心臓病の進行があり、改善は一人も見られませんでした(参考)。

ビタミンAの状態の改善

ココナッツオイルはビタミンA欠乏症あるいは欠乏症のリスクがある人々の状態を改善する可能性があります。

発展途上国の妊娠した女性に対する研究では、赤ココナッツオイルを摂取することで血中のビタミンAレベルが向上し、かつ母乳で育てられた赤ちゃんも向上しました(参考1参考2参考3)。

ある研究によると、脂溶性のビタミンを吸収するのが難しい嚢胞性線維症の人々が、赤ココナッツオイルを毎日テーブルスプーン2,3杯を8週間摂取することで、血中のビタミンAレベルが向上しました(参考)。

赤ココナッツオイルはまた、大人や幼児のビタミンAレベルを向上します(参考1参考2)。

実際、インドでの研究では、一日に5ミリリットル(ティースプーン1杯)のココナッツオイルを摂取した就学前の子供は、ビタミンAサプリメントを摂取した子供に比べ、ビタミンAレベルが大きく向上しました(参考)。


Point: ココナッツオイルは脳機能を保護し、心臓病のリスクファクターを減らし、特定の人のビタミンAレベルを向上する可能性があります。


ココナッツオイルの健康上リスクの可能性

ほとんどの研究がココナッツオイルには心臓の健康を保護する効果があるとしていますが、これとは異なる結果を報告しているものもあります(参考1参考2参考3参考4参考5)。

コレステロールが高い女性に対して行われたある研究があります。

それによると、心臓病につながるタイプのコレステロールである小さく密度の高いLDL(sdLDL)のレベルがココナッツオイルでは向上し、他の油では減少したことを示しています。
しかしながら、ココナッツオイルと米ぬか油の組み合わせではsdLDLのレベルは下がりました(参考)。

もう1つの研究ではsdLDLのレベルはココナッツオイルを摂取したグループでは変化せず、大きいLDLの粒子が向上しました。
大きいLDLの粒子は心臓発作をsdLDLの粒子よりも起こしにくいと考えられています(参考)。

他の研究ではココナッツオイルの摂取に反応してLDLコレステロールレベルが上がったと報告しています。
しかしながら、これらの研究ではLDLの粒子のサイズは測定されていません(参考1参考2参考3)。

これらは潜在的なリスクファクターでしかなく、ココナッツオイルが本当に心臓病を起こすことのエビデンスではないことは述べておく必要があります。

しかしながら、ある動物による研究では、繰り返し再加熱した油を消費すると、油の抗酸化効果が低下するため、動脈にプラークの沈着が生じる可能性があるとしています。

ネズミが10回再加熱を行ったココナッツオイルを含む食事を食べたところ、6か月の間に、動脈に大きなプラークが生じ、心臓病の兆候が表れました。一方、新鮮なココナッツオイルを食べたネズミはそうではありませんでした(参考)。


Point: ココナッツオイルは特定の心臓病のリスクファクターを人によっては上げる可能性があります。繰り返し再加熱された油は抗酸化効果が減り、心臓病の進行に貢献する可能性があります。


ココナッツオイルに関する論争

パーム油の生産に関して、環境、野生生物、コミュニティに及ぼす影響についてはいくつかの倫理的な問題があります。

この数十年、高まる需要がマレーシア、インドネシア、タイにおけるかつてないほどのココナッツオイル生産の拡大につながっています。
これらの国は油やしの木の成長に理想的に適した湿度が高い、熱帯の機構です。

しかしながら、油やしの大農場を作るため、熱帯の森や泥炭地が破壊されています。

最近の解析によるとかつて1990年に森であった東南アジアの国土の45%が現在ココナッツオイルの生産に使われており、この中にはインドネシアとマレーシアの半分以上のココナッツオイルの大農場が含まれています(参考)。

森林は炭素を大気から吸収することにより、温室効果ガスの削減に重要な役割を果たしており、森林破壊は地球温暖化に壊滅的な影響を与えると予想されています。

それに加え、自然の景観の破壊は生態系に変化を起こし、野生生物の健康と多様性を脅かします。
特に、生息地を失うことにより絶滅の危機に直面している、ボルネオオラウータンなどの絶滅危惧種への影響が懸念されています(参考)。

また、ココナッツオイル会社によって、許可なく農地や森林を伐採したり、低賃金であったり、安全でない労働環境を提供したり、生活の質を大きく低下させたりするなどの、人権侵害が行われているとも報告されています(参考)。

幸い、専門家によるとより倫理的で持続可能な方法があるとのことです。

たとえば、2015年の解析によると新しいココナッツオイルの大農園の拡大を森林のない地域に限定し、低炭素貯蔵地域にのみ植栽することで、温室効果がガスの排出量を最大60%削減できることがわかりました(参考)

持続可能なココナッツオイルに関する円卓会議(RSPO)は、ココナッツオイル生産をできるだけ環境にやさしく、文化に敏感で、持続的なものにすることを目的とした組織です。

この組織は以下を含む特定のガイドラインに従うことにより基準を遵守する生産者にのみRSPO認定を与えます。

  • 絶滅危惧種が住む、壊れやすい生態系、または基本的または伝統的なコミュニティの必要性を満たすために重要な森林や地域を伐採しない 
  • 殺虫剤や火の使用を大きく低減する 
  • 地域や国際的な労働者の権利の基準に従って、労働者を公正に扱う 
  • 新しい油ヤシ大農園の開発の前に、その地域コミュニティへの周知及び相談を行う 


Point: 森林や泥炭地をココナッツオイルの木と置き換えることは環境、野生生物、人々の生活の質を破壊し続けている。


ココナッツオイルのことで覚えておいてほしいこと

ココナッツオイルは世界中で最も広く使われている油の1つです。

しかしながら、その生産の環境、野生生物の健康、先住民族の暮らしへの影響は深く懸念されています。

もしココナッツオイルを使いたいときには、RSPO認証を受けた倫理的なブランドを購入しましょう。

加えて、似たような健康上の利益を他のオイルや食品からも受けられることから、他の脂肪の摂取源で日々の必要のほとんどのニーズを満たすことが最善かもしれません。

最後に

いかがでしたでしょうか?

◆ココナッツオイルについてもっと詳しく知りたい場合、『ココナッツミートとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説』でも解説していますので、是非参考にしてみてください。

※ココナッツミートとは・・・ココナッツミートはココナッツの中の白い部分のことを指します。




ココナッツオイルをサプリで試してみたい方は、「DHC バージン ココナッツオイル」から使用してみると良いでしょう。
ただし、重度の症状など適切な治療が必要とされる場合はサプリメントに頼らず、医療機関で診断を受けるようにしましょう。


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