プエラリア・ミリフィカの7つの有効性とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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プエラリア・ミリフィカとは

プエラリア・ミリフィカはタイやその他東南アジアで自生する植物です。
グワーオクルアという名前でも知られています。

100年以上も前から、プエラリア・ミリフィカはタイでは伝統的な薬として使用され、男女両方でアンチエイジング、若返りに聞くとされています。(参考

フィトエストロゲンは、ある種の植物に含まれている植物由来の化合物として知られ、プエラリア・ミリフィカの主要な活性要素です。
人間の体内にあるホルモン、エストロゲンに似ています。(参考
この強力なエストロゲン効果で、プエラリア・ミリフィカはハーブサプリメントとして販売されています。

医学的研究では健康増進効果もあるとされているのですが、主に更年期症状改善のために使用されています。

今回は話題のプエラリア・ミリフィカの7つの有効性をお伝えします。

1. 更年期症状の改善

エストロゲンは、人間の多くの身体機能に関連するステロイドホルモンです。
女性では、女性らしさを保つ身体的特徴の改善、気分の安定、月経周期の安定が関わってきます。 (参考)

女性がある年齢に差し掛かると、体内のエストロゲンが減少し、これが身体の不快な症状を起こします。

フィトエストロゲンは植物含有物であり、エストロゲンと同じような働きをします。
プエラリア・ミリフィカにはフィトエストロゲンが豊富に含まれており、更年期の不快な症状の改善に使われることがあります。(参考

ヒトを対象として小規模の試験において、様々な更年期症状(ホットフラッシュ、陰部の不快症状、イライラ感、月経不順または無月経といった症状)がグワーオクルアを使用して著しく改善したと分かりました。 (参考1参考2  参考3

しかし、同じ目的で行なわれた2018年の研究データでは、使用した試験結果内容の標準化が欠落し、試験内容も根拠づけるところまで行き届かなかったため、このハーブの有効性が結論づけられませんでした。(参考

このため、プエラリア・ミリフィカが更年期症状の治療に安全で有効であるかはより妥当的に計画された試験による判断を要するものです。


POINT: いくつかの研究では、プエラリア・ミリフィカ更年期症状に有効とされているが、多くの研究結果では、信用できる結果として限界があり明らかな欠落が認められました。


2. 陰部の健康を保持

プエラリア・ミリフィカは陰部組織の健康を促進し、または陰部不快症状の局所的治療に効果的である可能性があるとされています。

閉経後のサルを対象にした28日間の研究でグワーオクルア1%含有ゲルを陰部組織に使用したところその有効性が評価されました。
局所的に使用した結果、組織の状態、PH、皮膚の状態が改善されました。(参考

最近、同様に陰部の様々な症状を持つ71名の閉経期女性を対象に、グワーオクルア含有クリームと標準的なエストロゲンクリームを比較した12週間の試験が行われ、評価されました。(参考)

陰部の不快症状や乾燥にグワーオクルアを使用することで著しい改善が認められました。
それでも、この研究ではエストロゲンクリームの方がより効果的という結果が出ました。(参考)

この研究結果ではグワーオクルアにも効果があるかと考えられましたが、この植物由来の成分が陰部の健康をどのようにして保ってくれるのか、またその効果は従来の治療よりも有効であるかどうかについて更なる調査が必要です。


POINT: 動物や人を対象にした研究では、プエラリア・ミリフィカの局所使用は陰部の様々な不快症状を改善する結果が見られました。従来の治療とどちらが有効であるかを判断するには更なる調査が必要です。


3. 骨の健康を促進

エストロゲンが不十分であると骨の脆弱化に繋がります。
このことは、閉経期および閉経前の女性にとっては大いに気になる健康問題です。(参考)

動物実験の早期段階で、プエラリア・ミリフィカのサプリメント使用により、エストロゲン様化合物が骨の脆弱化を防ぐのに有効だとされています。

エストロゲンが不足した状態のマウスを使った試験で、プエラリア・ミリフィカの骨粗しょう症防止の有効性が評価されました。
結果は、植物のサプリメントを高用量で投与したマウスの方が骨密度の保存状態が良好でした。(参考

別の研究では、約16か月間、閉経前のサルにグワーオクルアのサプリメントを経口投与し、骨密度と骨の質、有効性を評価しました。(参考

グワーオクルアのサプリメントを投与したグループのサルは、そうでないサルと比較して、より良好な骨密と骨の質を見られました。(参考

これらの研究結果から、グワーオクルアは骨粗しょう症の防止の大きな役割を示すことが分かりました。

しかし、人間では同じ効果があるのかどうかを知るには、更なる調査が必要です。


POINT: 動物実験ではプエラリア・ミリフィカのサプリメントはエストロゲン不足による骨の脆弱化を防止するとされています。人体で同じ結果が出るかどうかという評価については、さらに調査を要します。


4. 抗酸化作用促進

抗酸化剤は化合物であり人体のストレスレベルや酸化によるダメージを軽減し、それにより病気に罹ることを防いでくれます。
試験管での実験でプエラリア・ミリフィカには抗酸化作用があると分かりました。(参考

フィトエストロゲンは、植物に含まれている化合物で、人体に存在する抗酸化作用を増強、改善する重要な役割を持っています。

ある研究では、エストロゲン不足の状態にしたマウスを使い、プエラリア・ミリフィカ抽出物と肝臓と子宮の抗酸化濃度と同レベルにした合成エストロゲンの サプリメントの有効性を比較しました。(参考

比較した結果、プエラリア・ミリフィカを投与されたマウスは著しく抗酸化レベルが上昇し、合成エストロゲンを投与されたマウスは変化が見られませんでした。 (参考

究極のところ、グワーオクルアが人体において酸化ストレスを減少し、病気を防ぐ有効な可能性については、更なる研究が必要であるということです。


POINT: いくつかの動物実験ではプエラリア・ミリフィカの化合物が体内の抗酸化レベルを改善すると示しているが、人について使用するにあたっては確実な結果が得られて いません。


5. 抗癌作用促進

プエラリア・ミリフィカのもう一つ健康に有効なことは癌細胞および癌に罹った組織の成長を遅らせることです。

この植物およびそのフィトエストロゲン化合物が、乳癌の細胞株いくつかの成長を抑制するという試験管での実験が発表されています。(参考1 参考2

さらに、マウスにグワーオクルア由来の化合物、ミロエストロールのサプリメントを投与したところ、抗癌作用があることが分かりました。 (参考

これらの研究結果により、この植物のサプリメントが必ず人間の身体に効果的であると決定づけることは時期尚早です。更なる調査が必要です。


POINT: 試験管で、また動物を使った試験において、プエラリア・ミリフィカに含まれている化合物がある種の癌細胞の成長を止める可能性があると示されています。しかし、人体に対しこれらの効果を確認するにあたっては更なる研究が必要です。


6. 心臓への効果

プエラリア・ミリフィカは心臓への効果もあると言われています。
特に更年期前以降からはエストロゲンレベルの減少が健康な心臓に影響を及ぼします。

エストロゲンは身体の脂肪と糖の代謝に関与しています。
エストロゲン値が低下すると健康な心臓にとってマイナスとなる要因、例えばコレステロール値の上昇、炎症の増悪、体重増加といった悪影響が起こります。(参考

プエラリア・ミリフィカの動脈機能に対する効果を、エストロゲン分泌低下させたウサギとそうでないウサギとを90日間比較して調査した研究結果では、このサプリメントが著しく血管機能を改善したことが分かりました。 (参考)

また、この植物のサプリメントはコレステロール値に対しても効果的であり心臓の機能を改善する可能性があるとされました。

HDL(「善玉」コレステロールと呼ばれます)は、血管内に蓄積するのを防ぐ役割を持っています。
このタイプのコレステロール値がより高値であると心臓を健全にしているのだと言えます。

反対に「悪玉」コレステロール値がより高いほど、心臓疾患に罹るリスクにより大きく関連してきます。

19人の更年期女性を対象にして2か月間行われた試験では、プエラリア・ミリフィカのサプリメントがHDLコレステロール値を34%上昇させ、LDLコレステロール値を17%下降させたという結果が出ました。(参考

これらの研究結果より、プエラリア・ミリフィカは、ある一定の人の集団において心臓機能を改善する可能性があるのだと言えます。 

この結果から、この植物サプリメントは心臓機能の改善の役割を果たしているという結論を、より多人数対象の研究の結果から知る必要があります。


POINT: プエラリア・ミリフィカは、動物実験においてはコレステロール値および血管の機能を改善するという可能性が示されています。この植物が心臓疾患の予防にどれほど有益であるかを判断するには更なる調査を必要としています。


7. 脳機能のサポート

エストロゲンは健全な脳および神経系の状態を保つ重要な役割をしています。 (参考

研究によると、グワーオクルアに含まれているエストロゲン化合物は、結果的にエストロゲン値を下げることになる脳血管へのダメージを保護すると言われています。

ある研究では、エストロゲン不足状態のマウスにグワーオクルア由来の化合物、ミロエストロールを投与しました。
結果、ミロエストロール投与のマウスは認知機能の低下および脳組織内の酸化ストレスが著しく減少したことが分かりました。(参考

別の研究でも、グワーオクルアによる治療でエストロゲン関連の認知機能が低下したマウスの脳細胞保護効果が確認されました。 ( 参考)

プエラリア・ミリフィカには神経系を保護する可能性があるように考えられますが、人間の脳に対する効果を研究した結果が現在のところありません。


POINT: プエラリア・ミリフィカによる脳の神経組織も保護作用が動物実験では調査されています。結論を出すには人体による調査が必要です。


プエラリア・ミリフィカの推奨使用量および考えられる副作用

プエラリア・ミリフィカについてのデータ量は、これまでにも少ないため理想とするサプリメントの正確な投与量、または考十分にえられるリスクを想定することは困難です。
ほとんどの調査では25~100mgの使用が安全と考えられており、明らかな有害反応は報告されていません。(参考)

実際、副作用効果の記録は見当たりませんが、それでプエラリア・ミリフィカのサプリメントはリスクがないとは言えません。

プエラリア・ミリフィカは時として「より安全な」代替的ホルモン補充療法として考えられていますが、深刻な副作用も知られているのです。

例えば、癌リスクの増加、血液凝固、心臓発作、卒中などです。(参考
それでも、専門家の中にはこの植物サプリメントは、ホルモン療法としてエストロゲンと同じくらい強力である可能性があると考えています。
そのため、使用をするにあたっては 充分に検討しましょう。

ハーブサプリメントをご自身の体調改善に使用する場合は、常に医療専門家へ相談してから使用してください。


POINT: 多くの研究ではプエラリア・ミリフィカの使用量は25~100mgが安全とされています。現在までに有害作用は報告されていませんが、プエラリア・ミリフィカのデータが限られています。


まとめ

プエラリア・ミリフィカ―またはグワーオクルア―は若返り療法としてタイの伝統的な治療方法で使用されてきました。

エストロゲン同様の強い効果を持つフィトエストロゲンが豊富に含まれています。

プエラリア・ミリフィカは、― 特に更年期女性のエストロゲン値に関連した症状対策のサプリメントとして時として使用されています。

このハーブのサプリメントの調査はまだ限界にあります。そのため、有害な効能についての報告がまだ少なく安全性については明らかにされていません。

プエラリア・ミリフィカを健康増進のために普段の生活に取り入れる前に医療専門家に相談し、注意して使用してください。

プエラリア・ミリフィカをサプリで試してみたい方は、「DHC 濃縮プエラリアミリフィカ」から使用してみると良いでしょう。
ただし、重度の症状など適切な治療が必要とされる場合はサプリメントに頼らず、医療機関で診断を受けるようにしましょう。

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